1000時間体験学修
「理論と実践」の往還を実現
学校教員に求められる「教育実践力」は,大学における理論的な学修によってのみ身につくものではありません。子どもとの直接的なふれあいなど,様々な実践的経験によって「理論と実践」を統合し,修得するものです。本学部の「1000時間体験学修」は,地域・教育活動に取り組む「基礎体験」,教育実習やカウンセリング演習などを中心とした「学校教育体験」を積み上げながら,教員として必要な実践力を獲得していきます。全国に先駆けて始めたこの教員養成プログラムは,15年を越える実績とノウハウを蓄積し,学生のみなさんをサポートします。
1000時間体験学修は,基礎体験領域と学校教育体験領域の2つの体験領域に分類されます。基礎体験領域で640時間,学校教育体験領域で360時間,合計1000時間の体験活動を目指します。800時間以上認定されることが1000時間体験学修に関する卒業要件になります。
基礎体験領域の体験活動はセミナーや介護等体験を中心とした必修の活動が100時間あります。残りの540時間のうち340時間が選択必修,200時間が自由選択で,地域や学校現場,各専攻などで行う各種基礎体験活動(令和3年度実績:233件)の中から学生自身が自由に選択して活動します。(参考:現在募集中の活動(在学生向け))
学校教育体験領域の360時間はすべて必修の体験活動で,学校教育実習(Ⅰ〜Ⅳ)や学校教育実践研究および,臨床・カウンセリング体験活動が含まれます。
基礎体験領域
子ども・地域・学校とかかわり,教師力を身につける
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「基礎体験領域」とは,学校での学習支援,子どもたちの活動支援,専攻の学修を深める専攻別体験・演習等への参加を通じて,子ども・地域・学校と主体的にかかわりながら,教員に必要な社会性や豊かな人間性を育成する場です。さまざまなプログラムの中から,興味•関心のあるものに参加して学修します。活動を通して自分の課題に「気づく」,その課題の解決に向けた活動の方向性を「つかむ」,活動への取り組みを「深める」という段階を経ながら進めていきます。
学校教育体験領域
教育実習を通して,教師力を身につける
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「学校教育体験領域」とは,附属幼稚園・附属義務教育学校での360時間*を必修とする充実した教育実習を通して,教員に必要な教育実践力や資質を身につけていくものです。教育実習は子どもとのふれあい体験,授業観察,授業計画・設計,授業実践,学級経営のトレーニングなどの段階を踏みながら体系的に行われます。また,大学の講義や演習で学んだことを教育実習で生かしたり,教育実習で得た疑問や関心に基づいて大学での研究を進めたりするなど,理論的学修とリンクさせながら学びを深化させます。
*臨床・カウンセリング体験(60時間)を含む時間数です。
1年:教わる側から教える側へ
学校教育実習Ⅰ [30時間]
附属学校園での3日間の観察実習と実習前のガイダンス,実習後の振り返りを行います。大学4年間の学びにおける教育実習の位置づけを理解するとともに,「教わる側」から「教える側」への視点の転換を図ります。観察実習では,自ら作成した授業(保育)記録に基づいて建設的な授業協議を行うための基礎的な技能を身につけます。幼稚園児から中学生までの子どもを「成長」,「発達」の総体として理解するとともに,授業(保育)観察を通して,「教師としての立場から」学校を把握し,教職への理解を深めます。
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2年:授業設計の基礎を培う
学校教育実習Ⅱ [30時間]
2年生では主専攻ごとに実習を行います。附属義務教育学校において教科指導を中心とした観察実習を行うとともに,模擬授業演習等を行うことで,学びのポートフォリオを作成します。この実習では,教科の基本的な授業の構想力や実践力を身につけるとともに,ICT機器の授業への活用について学びます。
3年:授業実践力を身につける
学校教育実践研究[40時間]
「学校教育実習Ⅲ・Ⅳ」の事前・事後指導です。主専攻に対応する校種·教科の授業実践に焦点化し,児童• 生徒の理解を基本とした授業分析,教材研究と教材制作のトレーニング,学習指導案作成や模擬授業を行います。
学校教育実習Ⅲ・Ⅳ[160時間]
主専攻に対応した4週間の教育実習(Ⅲで1週間,Ⅳで3週間)です。実習Ⅲは観察を主体とし,実習Ⅳは授業を実際に行う教壇主体の実習になります。教科指導,学習集団の形成や学級経営にかかわる実践的なトレーニングです。
学校教育実習Ⅴ[40時間]
副専攻の校種・教科に対応した観察主体の教育実習です。学齢期にある子どもの「成長」,「発達」をより長いスパンから捉え,子ども理解を深めます。また,教職に進む自分の適性がどちらの校種にあるのか,見定める機会にもなります。
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4年:授業実践力の深化と教職へ向けて
学校教育実習Ⅵ(選択)[40時間]
3年間の実習を基礎に,教職志向に応じ希望者が主体的に履修する教育実習です。副専攻での学習を深めるとともに,これに対応した校種・教科で行います。それぞれの目的に応じて1週間の実習を行います。
臨床・カウンセリング体験
実習1:生活指導・進路指導・保護者支援(C系)
コミュニケーションスキルなどの実習を通じて,自身のコミュニケーションの特徴をふりかえり,自己理解を深め,自己課題の把握を試みます。個人(子どもや保護者)に対する支援を想定した実習です。
実習2:子ども理解・学級集団形成(G系)
グループディスカッションや演劇などのグループ・エンカウンター体験を通じて,自己表現・協力・リーダーシップを学びます。これらの活動は,学級集団形成などの集団における支援を想定した実習です。
実習3:特別支援教育相談
LD(学習障がい)児,ADHD(注意欠陥・多動性障がい)児などの特別な支援の必要がある子どもに関する理解や,保護者相談・校内支援体制づくりなどを実践的に学びます。
1000時間体験学修については,学修活動を企画・運営している附属教育支援センターwebサイト も併せてご覧ください。