1000時間体験学修

教室で子どもたちとかかわる教育実習生の様子

「理論と実践」の往還を実現

学校教員に求められる「教育実践力」は,大学における理論的な学修によってのみ身につくものではありません。子どもとの直接的なふれあいなど,多様な実践的経験によって「理論と実践」を統合し,修得するものです。本学部の「1000時間体験学修」は,さまざまな地域・教育活動に取り組む「基礎体験」,教育実習や学校教育実践研究などを中心とした「学校教育体験」を積み上げながら,教員として必要な実践力を獲得していきます。全国に先駆けて始めたこの教員養成プログラムは,20年に及ぶ実績とノウハウを蓄積し,学生の皆さんをサポートします。

1000時間体験学修のしくみ

1000時間体験学修は,「基礎体験領域」と「学校教育体験領域」の2つの領域から構成されます。基礎体験領域680時間,学校教育体験領域320時間を合わせて,1000時間の体験活動を目指します。

基礎体験領域

680時間

必修
100時間
選択必修
380時間
自由選択
200時間

セミナー,介護等体験,基礎体験活動,専攻での活動など

学校教育体験領域

320時間

すべて必修

学校教育実習Ⅰ〜Ⅴ
学校教育実践研究
特別支援教育相談実習

教育体験活動 合計1000時間

1000時間体験学修に関する卒業要件:800時間

基礎体験領域 480時間+学校教育体験領域 320時間= 800時間

基礎体験領域の480時間は,必修100時間と選択必修380時間を合わせた時間数です。

1000時間に達した場合は,「1000時間体験活動認定証」が授与されます。

基礎体験領域では,セミナーや介護等体験などの必修100時間に加え,選択必修380時間・自由選択200時間として,地域や学校現場,各専攻などで行う各種基礎体験活動の中から,学生自身が活動を選択して取り組みます。

学校教育体験領域の320時間は,すべて必修の体験活動です。学校教育実習Ⅰ〜Ⅴ,学校教育実践研究,特別支援教育相談実習(20時間)が含まれます。

基礎体験領域

子ども・地域・学校とかかわり,教師力を身につける

地域での活動の様子
学校での学習支援の様子

「基礎体験領域」とは,学校での学習支援,子どもたちの活動支援,専攻の学修を深める専攻別体験・演習等への参加を通じて,子ども・地域・学校と主体的にかかわりながら,教員に必要な社会性や豊かな人間性を育成する場です。さまざまなプログラムの中から,興味・関心のあるものに参加して学修します。活動を通して自分の課題に「気づく」,その課題の解決に向けた活動の方向性を「つかむ」,活動への取り組みを「深める」という段階を経ながら進めていきます。

基礎体験活動の実績(令和7年度)

受入団体数
201団体
募集活動数
350件
学生参加種別割合(350件中)
活動の種別 割合
学校現場における活動 20%
行政連携における活動 11%
社会教育施設での活動 19%
各種団体における活動 32%
大学主催の活動 18%

出典:島根大学教育学部 学部案内パンフレット2027(15頁)

地域・学校での基礎体験活動の紹介写真。野鳥観察,地域探究,小学校での学習支援,社会教育施設の活動支援,伝統行事への参加,美術館ワークショップ,休日の学習支援,公民館の活動支援,書写の学習支援など。
基礎体験活動のさまざまな場面

学校教育体験領域

教育実習を通して,教師力を身につける

学校教育体験で学ぶ学生の様子
学校教育体験の活動の様子

「学校教育体験領域」は,学校教育実習Ⅰ〜Ⅴ,学校教育実践研究,特別支援教育相談実習を合わせた320時間の必修の体験活動です。附属幼稚園・附属義務教育学校での教育実習などを通して,教員に必要な教育実践力や資質を身につけていきます。教育実習は子どもとのふれあい体験,授業観察,授業計画・設計,授業実践,学級経営のトレーニングなどの段階を踏みながら体系的に行われます。また,大学の講義や演習で学んだことを教育実習で生かしたり,教育実習で得た疑問や関心に基づいて大学での研究を進めたりするなど,理論的学修とリンクさせながら学びを深化させます。

学校教育体験領域の必修320時間の内訳
実習等 時間数
学校教育実習Ⅰ 30時間
学校教育実習Ⅱ 30時間
学校教育実践研究 40時間
学校教育実習Ⅲ・Ⅳ 160時間
学校教育実習Ⅴ 40時間
特別支援教育相談実習 20時間
合計(必修) 320時間

学校教育実習Ⅵ(選択・40時間)は,上記の必修320時間には含めていません。

1年:教わる側から教える側へ

学校教育実習Ⅰ[30時間]

附属学校園での3日間の観察実習と実習前のガイダンス,実習後の振り返りを行います。大学4年間の学びにおける教育実習の位置づけを理解するとともに,「教わる側」から「教える側」への視点の転換を図ります。観察実習では,自ら作成した授業(保育)記録に基づいて建設的な授業協議を行うための基礎的な技能を身につけます。幼稚園児から中学生までの子どもを「成長」,「発達」の総体として理解するとともに,授業(保育)観察を通して,「教師としての立場から」学校を把握し,教職への理解を深めます。

学校教育実習での学びの様子
学校教育実習で子どもとかかわる様子

2年:授業設計の基礎を培う

学校教育実習Ⅱ[30時間]

2年生では主専攻ごとに実習を行います。附属義務教育学校において教科指導を中心とした観察実習を行うとともに,模擬授業演習等を行うことで,学びのポートフォリオを作成します。この実習では,教科の基本的な授業の構想力や実践力を身につけるとともに,ICT機器の授業への活用について学びます。

3年:授業実践力を身につける

学校教育実践研究[40時間]

「学校教育実習Ⅲ・Ⅳ」の事前・事後指導です。主専攻に対応する校種・教科の授業実践に焦点化し,児童・生徒の理解を基本とした授業分析,教材研究と教材制作のトレーニング,学習指導案作成や模擬授業を行います。

学校教育実習Ⅲ・Ⅳ[160時間]

主専攻に対応した4週間の教育実習(Ⅲで1週間,Ⅳで3週間)です。実習Ⅲは観察を主体とし,実習Ⅳは授業を実際に行う教壇主体の実習になります。教科指導,学習集団の形成や学級経営にかかわる実践的なトレーニングです。

学校教育実習Ⅴ[40時間]

副専攻の校種・教科に対応した観察主体の教育実習です。学齢期にある子どもの「成長」,「発達」をより長いスパンから捉え,子ども理解を深めます。また,教職に進む自分の適性がどちらの校種にあるのか,見定める機会にもなります。

授業の準備や検討に取り組む学生の様子
教育実習での授業の様子

4年:授業実践力の深化と教職へ向けて

学校教育実習Ⅵ(選択)[40時間]

3年間の実習を基礎に,教職志向に応じ希望者が主体的に履修する教育実習です。副専攻での学習を深めるとともに,これに対応した校種・教科で行います。それぞれの目的に応じて1週間の実習を行います。

特別支援教育相談実習[20時間]

特別な支援を必要とする子どもに関する理解を深め,保護者相談や校内支援体制づくりなどについて実践的に学びます。