幼稚園・保育所一体型施設に求められるこれからの幼児教育教員養成プロジェクト

( 2015年度)

プロジェクトの名称

幼稚園・保育所一体型施設に求められるこれからの幼児教育教員養成プロジェクト 

プロジェクトの概要
保育内容学、児童福祉学関係を中心に最新の図書類を収集するとともに学生の基礎学力および専門基礎教養の向上を図る。さらに、基礎的な実技技能力を身につける。
保育における現代的課題や必要とされる知識、技術・技能について、各種文献、報告書、資料などの購読を通して基礎的理解を図るためのセミナーを継続的に実施する。
1000時間体験活動などと関連づけて、保育者として必要な資質能力について具体的に理解し、勉学すべき内容や課題について明確化する。
プロジェクトの成果を示すものの一つとして、参加学生は学外で実施される「保育士資格試験」を受験し、保育士資格の取得をめざす。
プロジェクトの
実施状況
図書館あるいは研究室で不足している保育学、児童福祉学、食品学関係の図書類を購入した。
新しいタイプの幼保一体型施設職員(保育教諭)として必要とされる知識、技術・技能などを習得するためのセミナーを平成27年4月から7月にかけて延べ12回、24時間相当開催した。また、学年による学生の知識量の違いなども考慮し、個別指導も加えて行った。
各自のこれまでの1000時間体験活動などをふまえながら、9月から11月にかけて「絵本の読み聞かせ」や「保育教材制作」などの実践的な保育技能および技術指導を行った。
平成27年度は幼児教育分野の学生を中心に「保育士資格試験」を25名受験し、8名合格(資格取得)した。また、昨年度初めて受験した2年生の受験科目数に対する合格科目数の比率は56%で昨年の48%から8%上昇した。また、卒業年次学生における最終の資格取得率は90%となった。このように、初年度合格率も最終合格率も前年度を上回る結果を得ることができたが、保育士資格は1~3年の間に8科目からなる筆記試験科目をよび2科目の実技試験を合格することによって取得できるので、本プロジェクトを継続的に実施することによって、成果についての正確な評価と、より効率的な指導方法について検証を行いたい。
研究組織
所属・職 氏名 専門分野
人間生活環境教育講座 准教授 ○西田 忠男 幼児教育学
人間生活環境教育講座 教授 舟木 賢治 生物学
人間生活環境教育講座 准教授 鶴永 陽子 食物学
人間生活環境教育講座 講師 淡野 将太 幼児心理学
人間生活環境教育講座 特任教授 佐々木明美 保育実践学
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)

 保育者としての基礎的な資質能力である子ども理解力や教材研究開発力をより高めることができる。
 保育諸課題の背景にある子どもの現実や子どもを巡る社会状況を多面的かつ総合的に理解することによって、保護者や地域との関係力を高めるとともに社会的要請に合致した、より高度な保育実践力を持つ質の高い教員養成ができる。
 また、より直接的には、学生の幼稚園免許と保育士資格の併有が進むことによって就職機会の増大と就職率の向上が期待できる。
 本プロジェクトを広報することによって、幼児教育教員を希望する受験生の確保にも寄与できる。
 今後の新しい幼児教育教員養成カリキュラム内容に関する基礎的資料を得ることができる
 結果についてはホームページで公開するほか、さらにデータを蓄積した上で研究紀要や関係学会での発表も検討している。

資料