音楽教育専攻60周年記念事業にむけた専攻沿革資料作成のための予備調査

( 2013年度)

プロジェクトの名称 音楽教育専攻60周年記念事業にむけた専攻沿革資料作成のための予備調査
プロジェクトの概要

 2014年(平成26)は,島根大学教育学部に音楽教育専攻の前身でもある特別教科音楽教員養成課程(以下,特音課程)が設置されて60周年となる。30年前の1984年には,当時の音楽研究室と音楽研究室同窓会によって『My Onken History』(30周年記念誌)が発刊され,それまでの記録はまとめられているが,その後1986年以降の記録はまとめられていない。1990年代以降も重要なエポックがあり,大学や学部の歴史としてのみならず,教員養成史の観点からもまとめておく必要がある。島根大学の中期目標・計画では「地域の教育並びに文化の保全・継承・創造に貢献する」ものに該当する。さらに,昨今,全国的に大学の自校教育への関心が高まっており,そのような動向に照らしても,将来的に資料が活用される可能性も見込まれる。
 そこで,次の5つの作業を実施した。研究組織は,本学部特音課程卒業の3名の教員で構成した。
1.「特別教科教員養成課程」設置の経緯についての基礎調査
2.音楽教育専攻生卒業研究,大学院生修士論文題目の一覧化
3.音楽教育専攻主催各種演奏会の記録の一覧化
4.教職員の動静についての記録整理
※ 2,3,4については1986年以降のもの(ワープロが普及していない時代のものを含む)を対象にデータ入力し一覧化。
5.1990年代以降の専攻の沿革に関する基礎資料の整理(大学院設置,特音課程廃止,改組による学生,教職員,カリキュラム等の動態)

プロジェクトの
実施状況

上記1~5の作業について,以下のように実施した。

1. 国立教育政策研究所教育図書館他で『教育時報』をはじめとした当時の資料により,全国的な特別教科教員養成課程設置,島根大学教育学部への特音課程誘致の経緯について調査した。その結果,30周年記念誌等で言及されていなかった新たな情報を得ることができた。
2.3. 教育学研究科院生の作業補助により電子データ化を行った。
4. 電子データ化を行った。
5. 会議資料等を整理し,必要な記述や情報については,電子データ化 を行った。
研究組織
所属・職 氏名 専門分野 
芸術表現教育講座  
 教授 ○藤井 浩基 音楽科教育
 教授 永見 信久 弦楽器
 教授 河添 達也 作曲
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)

 1について,『30周年記念誌』等における特音課程設置の経緯に関する記述は,その多くが二次資料に依拠しており,出典等も十分に明記されているわけではない。記念誌という性格上,その必要性もなかったといえばそれまでであるが,本プロジェクトでは可能な限り,一次資料に当たるように努め,その結果,新たな情報を得ることができた。その内容については,紀要あるいは何らかの印刷物で公開したい。ただし,公開に当たってはさらなる精査が必要であり,できるだけ早い時期にしかるべき方法で行いたい。
 2~5については,個人情報も含まれるため,島根大学教育学部音楽研究室同窓会他との連携を通じて,情報公開の方法や範囲を検討する。
 以上,専攻沿革資料作成のための予備調査としては,所期の成果をあげることができた。