1.平成23年度末に島根県教育委員会との協議により、2期(10~11月、1~2月)各2週間で計4週間、大学と教育委員会協働による「現職教育研修プログラム開発・実施」の事業が決定された。
2.平成24年10月29日(月)~11月9日(金)および平成25年1月28日(月)~2月8日(金)の2期4週間、島根大学教育学部多目的ホールや研修室等を会場として「現職教員研修」を開催した。
3.受講者の募集・決定は島根県教育委員会が行い、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、県教育委員会、県教育センター及び教育事務所から、主幹教諭・指導主事クラスの18名が参加した。
4.講義は本学の教員をはじめ、文部科学省や国立教育政策研究所、他大学、教育委員会、学校、企業等から招へいした講師が担当し、計120時間のプログラムを実施した。
5.研修初日の10月29日(月)は開講式を行い、秋重教育学部長から本研修の目的と意義が述べられ、三島島根県教育センター所長から本研修の成果に期待する旨の挨拶があった。
6.前期(10月29日(月)~11月9日(金))においては、受講者全員が同一の講義を受ける共通講義方式により、主にスクールマネジメント及び重要な教育課題等に関する講義を行った。それを受けとめつつ、講義のまとめや振り返り、受講者同士の意見交換のための自己研修のコマを設けた。また、受講者と島根大学教育学部学生との交流の機会を設け、教員を目指す学生と現職教員との積極的な学び合いの機会を設定した。
7.前期研修終了後、各受講者にそれまでの講義等をふまえて学校現場で実践する課題を設定してもらい、後期開始までの間に各自の職場で実践してもらい、その結果を後期研修初日に発表・意見交換する機会を設けた。
8.後期(1月28日(月)~2月8日(金))においては「マネジメント上級」、「教科指導・国語」及び「特別支援教育」の3コースを設定し、受講者を各コースに対応した3グループに分け、それぞれ専門分化した講義や演習等を実施するとともに、前期と同様に3グループ共通の講義も設け、両者を組み合わせたプログラムとした。 なお、自主研修で空いている時間帯に他コースの講義を受講することも可能としたほか、前期と同様に自己研修のコマも設けた。 また、今年度は初めての試みとして、大学院生(現職短期1年コース)との交流の機会を設け、院生による課題研究発表を行い、それをふまえて受講者と意見交換を行った。
9.前期と後期を通して、研修受講者のほか、島根大学教育学部生、大学院生、島根県・鳥取県教育委員会及び教育事務所関係者にも講義の聴講を認め、複数の講義で聴講者があった。
10.今年度のプログラムは昨年度と同様、「スクールマネジメントの実践的課題―学校の現代的課題を解明する-」をテーマとして実施した。 学校における指導的役割が期待される中堅教員にとって、最新の理論を身に付けるとともに、自らの実践を理論に基づき振り返るなどの取組を通じて、教育実践に関する専門的知見と能力の高度化を図ることが必須の研修課題であると考えられる。本プログラムは、大学と行政とが協働して比較的長期間にわたって実施することにより、これらの課題への対応の促進を図ろうとするものであり、このような試みは全国的にみても先進的な取り組みである。今年度の実施課題、受講者・教育委員会等からの意見、感想等をふまえて改善・充実を図り、次年度への継続が要請される。
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