言語文化教育の研究と実践―教育学部と附属学校(小・中)の連携―

( 2011年度)

プロジェクトの名称 言語文化教育の研究と実践―教育学部と附属学校(小・中)の連携― 
プロジェクトの概要

平成18~22年度の5年間にわたる研究プロジェクト「言語コミュニケーション教育の研究と開発―大学・附属の連携―」は,『島根大学教育学部紀要』第44巻別冊特集号「言語コミュニケーション教育の研究と開発」の刊行(23年2月)によって終結した。本プロジェクトは,次の段階として新規に企画されたものであったが,「継続」と判定されて「新規」とは認められなかった。そこで,当初計画を変更して,本プロジェクトの中核に,新しい課題の確立を付置した。

1.新学習指導要領と言語文化教育との関係の解明について検討する。特に「伝統的言語文化の尊重」「外国語教育(英語)教育と言語活動の充実」の実態に特に注目し,「言語活動に基づく思考力・判断力の育成」「教科横断的な問題解決能力や創造性の獲得」をも視野に入れる。

2.言語文化教育の体系性を確立するために,言語文化に関係する教科教育学と教科内容学との連携方法について検討する。

3.附属学校の「幼-小-中」一貫教育構想に対応して,日本語と英語の言語能力の相補・連動的学習方法を,特に小・中9年間を対象に研究開発する。今年度は,聞く・話す・読む・書くの4技能を総合的に育成する指導に注目する。さらに,大学生のコミュニケーション能力や文章表現力の育成方法を開発・実践し,小学校から大学までの言語教育の一貫性・相関性を検証する。


4.「島根大学言語教育研究会」と連携して,研究発表会の場で検討結果を公表し,発展させる。


5.成果は,公開講座などにより広く公表し,社会貢献活動の一翼を担う。

プロジェクトの
実施状況

1.言語文化教育の新課題についての検討を開始した。特に、新学習指導要領や教科内容学との関係に注目した。

2.「言語コミュニケーション論」(「日英対照言語学」「日本語表現論」「異文化の交流と理解」の3科目)と「内容構成研究」8科目の開講方法を検討し,国語・英語・言語に関する研究文献を活用した。

3.附属学校での実習(学校教育実習Ⅰ~Ⅲなど)や体験学修を通じて,「学部」と「附属」の言語コミュニケーション教育の方法について検討した。並行して,小学生から大学生までの言語教育の一貫性・相関性を検証した。

4.「島根大学言語教育研究会」の研究発表会において,成果発表と検討を行った。

第11回 平成23年7月7日(金)
高瀬彰典:ハーンの日本文化論

第12回 平成23年9月16日(金)
竹田健二:漢文学習考―「漢文学基礎講義」の実践を通して―

第13回 平成24年3月23日(金)
福田景道:言語教育研究と教科内容学―言語文化教育プロジェクトの方向性―

5.公開講座「『国語』の世界を拓く」を開催した(10/21~12/9)。

6.科学研究費補助金等の申請について検討した。

研究組織
所属・職 氏名 専門分野
教育学部・教授 福田 景道 言語文化教育講座・日本文学(代表)
教育学部・教授 足立 悦男 言語文化教育講座・国語教育学
教育学部・教授 福田 哲之 言語文化教育講座・書道・書論
教育学部・教授 竹田 健二 言語文化教育講座・漢文学
教育学部・教授 林  高宣 言語文化教育講座・英語学
教育学部・教授 (特任) 田中 俊男 言語文化教育講座・日本文学
教育学部・准教授 大谷 みどり 言語文化教育講座・英語教育学
教育学部・准教授 縄田 裕幸 言語文化教育講座・英語学
教育学部・准教授 百留 康晴 言語文化教育講座・日本語学
教育学部・准教授 猫田 英伸 言語文化教育講座・英語教育学
教育学部・講師 冨安 慎吾 初等教育開発講座・国語教育学
附属小学校・教諭 川井 史生 国語教育学
附属小学校・教諭 永野 信吾 国語教育学
附属小学校・教諭 籠橋 剛 国語教育学
附属小学校・教諭 小澤 正則 英語教育学
附属小学校・教諭 高田 純子 英語教育学
附属小学校・教諭 須田 香織 語教育学
附属小学校・教諭 岩﨑 香織 英英語教育学
附属小学校・教諭 藤原 さり 国語教育学
附属小学校・教諭 中村 紀恵 国語教育学
附属小学校・教諭 喜多川昭博 国語教育学
附属小学校・教諭 恩田 一穂 国語教育学
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)

1. 新講座の特色ある教育研究プログラムを構想・実限することによって,学部教育の充実・発展を推進し,研究に関する中期目標達成の基盤になる。

2. 学部・附属の連携を可視的に実現することで,中期目標達成に寄与する(学部と附属学校の国語科教員の研究組織「三土会」と連携できる)。

3. 言語文化教育講座の新規の教育プログラムによって,学生・教員の専攻としての一体感と言語コミュニケーション能力を育成することができる。

4.成果は,報告書・ホームページ・公開講座等の形で多様に公表する