竹田健二編『懐徳堂研究第二集』上梓のお知らせ

公開日 2018年12月21日

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 言語教育専攻の竹田健二先生が編者となった『懐徳堂研究第二集』が上梓されましたのでご紹介します。

 懐徳堂とは,大坂の大商人らによって享保9年(1724)に設立され,享保11年(1726)に江戸幕府の官許を得た,漢学の「学校」です。五井蘭洲・中井竹山・中井履軒・山片蟠桃などの町民学者を輩出し,140年あまりにわたって大坂の文教を担いました。
 懐徳堂は明治2年(1869)に閉鎖されましたが,明治の末に顕彰運動が起こり,明治43年(1910)に懐徳堂記念会が設立されました。同会は大正2年(1913)に財団法人となり,大正5年(1916)に重建懐徳堂と称される講堂を建設,漢学を専門とする専任教員を中心に,大阪の市民大学として活発な活動を展開しました。現在,大阪大学附属図書館の懐徳堂文庫には,懐徳堂・重建懐徳堂に関する貴重資料が多数収蔵されています。
 懐徳堂と重建懐徳堂とを対象とする共同研究組織・懐徳堂研究会は2000年に設立され,その成果を『懐徳堂研究』(汲古書院,2007年)として刊行,2013年~2016年には科学研究費補助金基盤研究(B)「懐徳堂の総合的研究」(研究代表者:竹田健二)を得て共同研究を継続しました。この度,平成30年度日本学術振興会科学研究費補助金(研究成果公開促進費)を得て,その最新の研究成果をまとめたものが本書です。
(汲古書院,2018年11月,全460ページ)