池松 辰男

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IKEMATSU Tatsuo (講師)

  

 

自己紹介・アピール

 哲学・倫理学を専攻しています。哲学も倫理学も、普段はやや馴染みが薄く、またひょっとすると“役に立たない”学問であるという先入観を抱きがちかもしれません。しかし実際には、そのどちらも、私たちの人生、社会、世界との向き合いかたを根本から見直してより豊かなものとするうえで、西洋に学問の歴史が花開いて以来2500年間、もっとも重要な学問の一つでありつづけてきました。とりわけ、今日のような、さきゆきの見えない激動の時代には、哲学的思考の担いうる役割はけっして少なくありません。
 残念なことに、哲学も倫理学も、高校までの間は「公民」の一部を除くと直接学ぶ機会がありませんが、逆にポジティブに考えれば、哲学的思考に本格的に触れることできるのは、大学ならではの特権の一つとも言えます。ぜひ大学で、哲学的思考の息づかいと、2500年の歴史の厚みに触れてみてください。

教育・指導分野

学 部:社会科教育専攻
大学院:教育学研究科(教職大学院)兼任教員

専門分野およびキーワード

哲学(西洋哲学)・倫理学(西洋倫理思想)

現在の研究分野・テーマ

 私が特に研究の主題としているのは、19世紀初頭のドイツの哲学者、ヘーゲルの思想です。ヘーゲルが活躍したのは、ちょうど、フランス革命などを経て現代の社会の基礎が芽吹こうとしていた時代です。ヘーゲルはその時代の激動の只中で、哲学史上でもまれに見る、ひときわ大きなスケールの思想体系を築き、そのうえに、いち早くその社会の全容を哲学的にとらえて、様々な問題提起をしてきました。そのヘーゲルの思想を現代に受け継ぎ活かしていくことが、私の研究課題です。
 その一方で、近年では、西洋倫理思想史における「幸福」や「良心」の概念のほか、現代思想における精神分析や新実在論等の展開にも、目を配っています。

最近の研究成果 

[単著]『西洋倫理思想史の考え方』、池松辰男(著)、山川出版社、2022
[共訳]『哲学の25年 体系的再構成』、エッカート・フェルスター(著)、三重野清顕/佐々木雄大/池松辰男/岡崎秀二郎/岩田健佑(訳)、法政大学出版局、2021
[論文]「ヘーゲルの「良心」概念における「内面」の意味とその射程」、池松辰男(著)、『倫理学紀要』第27輯、75−101頁、2020
[単著]『ヘーゲル「主観的精神の哲学」 精神における主体の生成とその条件』、池松辰男(著)、晃洋書房、2019
[共著]『ラカン『精神分析の四基本概念』解説』、荒谷大輔/小長野航太/桑田光平/池松辰男(著)、せりか書房、2018 
[共著]『ヘーゲル講義録入門』、寄川条路(編)、池松辰男他11名(著)、法政大学出版局、2016
[共訳]『ヘーゲル講義録研究』、オットー・ペゲラー(編)、寄川条路(監訳)、池松辰男他13名(訳)、法政大学出版局、2015
[共訳]『神話・狂気・哄笑 ドイツ観念論における主体性』、マルクス・ガブリエル/スラヴォイ・ジジェク(著)、大河内泰樹・斎藤幸平(監訳)、池松辰男他3名(訳)、堀之内出版、2015

担当授業

学部: 哲学・思想史概論、哲学・思想史特講、倫理学概論、倫理学特講、共生思想論講読、共生社会演習、教科内容構成研究(公民)、初等社会科内容構成研究

最近の社会的活動・地域貢献活動

 

メールアドレス

ikematsu@ (@の後に edu.shimane-u.ac.jp を付けて送信下さい)

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