地域課題への取り組みを起点とした学部・教職大学院-教育委員会の連携―災害経験の記憶と継承のために―

( 2017年度)

プロジェクトの名称 地域課題への取り組みを起点とした学部・教職大学院
-教育委員会の連携―災害経験の記憶と継承のために―
プロジェクトの概要  平成29年度前期、共生社会教育講座では「地域総合研究」、教職大学院では「社会変化と学校役割」において、鳥取中部地震に遭った倉吉市・諸学校の被災経験を学修課題に設定した。学部学生は、主に巡検学修を基に「地震災害教育のための教材」の作成を行った。また、大学院の学生は、主に学校管理職の被災経験を事例に、防災を意識した学校づくりの方略を考察し、それを基に「能動型(対話型)の教員研修プログラム」の開発を行った。
 これら学修活動の成果発表会・講演会を、鳥取県教育委員会と倉吉市教育委員会の後援を得て、8月4月に倉吉市において開催した。さらに一連の活動・成果を日本教育大学協会において研究発表した。
プロジェクトの実施状況  上述の学部生・教職大学院生の学修を基に、平成29年8月4日、倉吉市において、教職大学院夏期地域教育課題支援事業「災害 × まち × 教育――学校の役割を考える――」を開催した。第一部では、学部生の学修成果のポスター発表、第二部では大学院生が開発した防災・現減災のためのケースメソッド型教員研修ワークショップ、第三部では山名淳氏(京都大学准教授、現在東京大学教授)による「災害と厄災の記憶は伝えられるか―山陰地方で考える―」と題した講演を頂きました。鳥取県中部の教育委員会・学校より指導主事や教員の方々に参加いただき、有意義な事業となった(別紙1)
 こうした事業に関し、平成29年10月14日実施の日本教育大学協会研究集会でポスター発表を行った(別紙2)
 また、平成29年12月9日実施の日本教職大学院協会研究大会において本事業に関して報告をした。
研究組織
所属・職 氏名 専門分野
教職大学院 ○丸橋 静香 教育哲学
共生社会講座 川瀬 雅也 哲学
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)
 学生においては、防災意識を形成し、山陰の地域特性に適った防災のための学校づくりの視点・能力をもたらすことができた。また、成果発表会を当該地区(倉吉市)で実施し、地域課題に根ざした研修教材を開発できたことで、地域と連携した「教員の養成・採用・研修」を推進できた。さらに、日本教育大学協会・日本教職大学院協会で発表することにより、全国的に要請されている防災教育・学校安全対策へ、島根大学教育学部・教職大学院として貢献することができた。今後は、これらの活動を平成30年度中に論文化したい。