附属学校園の研究成果の普及促進プロジェクト

( 2016年度)

プロジェクトの名称 附属学校園の研究成果の普及促進プロジェクト
プロジェクトの概要  島根大学附属学校園は,島根県および山陰地域の教育実践研究の拠点であり,その成果を発信してく責務がある。特に第3期中期計画(通し番号51)においては「アクティブ・ラーニング等の新たな教育課題に対応した実践的教育・研究活動を強化し,その成果を全国及び地域に発信する」ことが計画されている。さらに,平成28年度においては,「次期学習指導要領の改訂に沿って,実践的教育・研究活動の内容の見直しを行い,公開研究会等において全ての公開教科において見直しを反映させた実践を公開するとともに,HPで公表する。」とされている。現在,この計画にしたがって,次期学習指導要領改訂に向けて附属学校園の研究テーマを「21世紀を生き抜くための資質・能力を備えた子どもの育成」と見直し,研究をスタートしたところである。
 本プロジェクトは,学部教員と附属学校教員が協働して,これらの取り組みをいっそう充実させ,その成果を全国に向け発信することを目的とする。具体的には,地域の教員,さらには,本学学部生・教職大学院生を対象に,新たな教育課題に対応した実践的指導力向上を目指した研究会等の開催,および,そういった日々の研究成果の研究集会・学会等での発表を実現するために,必要な予算措置を要求するものである。
プロジェクトの
実施状況
(1) 日本教育大学協会研究集会での研究発表
 10月15日に開催予定の日本教育大学協会研究集会(当番校:富山大学)にて,大谷・鎌田らが「『附属English Day』の取り組みと成果―大学・学部・附属学校園の協働プロジェクトからの学び―」という題目で発表した。

(2) 附属学校園と学部が協働した授業研究会等の開催
 (a)小学校理科・算数科に関する教科横断的な学習に関する研究会の開催
全国学力・学習状況調査で,理科の課題として「観察・実験の結果などを整理・分析したうえで,解釈・分析し,説明すること」,算数科の課題として「考えを批判的に考察し,考えの妥当性を評価するとともに、それを基に考えを修正すること」が指摘されている。これらの問題に対応するためには,教科横断的に学習を改善していく必要(現代的な教育課題)があり,次期学習指導要領でも重視されている点である。この点に焦点化した研究会を理科・算数科で協働して「アクティブ・ラーニングの視点にたった授業づくりの研修会」を企画した。実施は2月10日の松江会場,2月17日の浜田会場の2か所で行った。
 (b)中学校数学科での授業研究会および講演会等の開催
数学でのアクティブ・ラーニングの根幹となる問題発見・解決のプロセスを大切にした数学授業を目指して,生徒が夢中になって取り組む問題の設定,生徒が主体的に取り組むための授業のあり方に関する授業研究会を松江市数学部会,安来市数学部会とも連携しながら行った。2月10日の第1回数学授業づくり研修会として,附属中学校および松江市立第二中学校を会場として実施した。県外の優れた教員である山口県の大田誠教諭をお招きした。なお,この会の準備にあたっては,10月より松江市近隣の中学校教員をメンバーとする計7回の勉強会を行った。 (c)小学校外国語活動での研修会の開催
グローバル化が急速に進展する中で,次期学習指導要領において,小学校中学年において外国語活動領域の実施,高学年において週2時間程度の教科化(現代的な教育課題)が明確化されたところである。2年後には移行措置に入り大きな改革期にあたる。本年度は,12月15日(木)に,「短時間学習」と「小中連携授業」の公開,直山木綿子教科調査官を招いた講演会などからなる「外国語活動研修会」を開催し,島根県及び,山陰地域の教育実践研究として学習し,成果を普及させた。

(3) 優れた実践を行っている学校の視察
 加藤は2月3日~4日に京都市立大宅小学校・京都市総合教育センターで開催された第13回全国小学校英語活動実践研究大会において優れた先進事例の視察等を行った
研究組織
所属・職 氏名 専門分野

数理基礎教育講座・准教授

○御園真史

数学教育学・教育工学

芸術表現教育講座・教授 藤田英樹

美学・美術史

言語文化教育講座・准教授 大谷みどり

外国語教育

附属中学校・教諭 安野洋

数学教育

附属中学校・教諭 鎌田真由美

英語教育

附属小学校・教諭 徳永勝俊

算数教育

附属小学校・教諭 加藤君江

外国語活動

附属小学校・教諭 関野淳也

理科教育

本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)
 島根大学附属学校園の研究成果を教大協の研究集会で発表することで,全国的に広めた。この場合の成果物は,研究発表の資料,論文等である。
 また,研究会・講演会においては,地域の学校教員に対する資質・能力の向上に貢献した.この場合の成果物は,各研究会等で実施された授業の学習指導案・研究発表等の資料である。
 今後も継続させることにより,成果の普及を促進させたい。