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子どもたちの日常生活上の「困り感」解決プロジェクト

( 2014年度)

プロジェクトの名称

子どもたちの日常生活上の「困り感」解決プロジェクト

プロジェクトの概要  「人とともに,地域とともに」を理念とした島根大学で,地域密接型をめざす本学部にとって,地域との大学教員・学生の交流や共同研究は重要である。そこで,附属学校をはじめとした地域の学校やそこで学ぶ子どもたちとの交流を図り,研究成果を還元することで地域貢献を果たす。同時に,地域を基盤とする学生の教職志向性や教師力を実践的に高める地域実践型教師力育成の取組を行う。
 幼児期を中心とする子どもたちには,日常生活に多くの困り感が存在するため,教師は困り感の把握と解消の指導に努める必要がある。
 そこで,学生が附属学校等へ積極的に出かけ,子どもと日常生活を共にする中から,課題の把握,解消方法の企画,提案等を行い,自身の教職指導性や教師力を高める。さらに,大学と附属学校の教員が共同研究を行い,困り感を科学的に解消し,成果を還元し地域貢献を果たす。
附属幼稚園からは,本プロジェクトの重要性を理解していただくとともに大きな期待を寄せられ,本年度から副園長が参加されている。
プロジェクトの
実施状況
 本学部の学生に,「幼児の『困り感』を解決しよう」として,1000時間体験学修の募集を行った。学生には,子どもたちの日常生活をしっかり観察し,施設設備や遊具,道具の環境整備状況や,子どもたちの生活の様子を理解させた。その結果,参加した学生は,たくさんの気づきを見出すなど,幼児の日常生活上の困り感等に関する観察眼を養うことができた。この活動に参加した学生が,幼稚園教諭を目指すようになるなど,学生の教職志向性や教師力を高めることにつながったと考える。
 並行して,子どもたちの日常生活上のストレスに関する知見を得るための調査・研究を行った。これは,本来対象の被験者を幼児として行う研究であるが,その予備段階として対象を大学生に限定し検討を行った。研究目的は,ストレスの解消が促進される活動,あるいは解消が遅延する活動を探ることにある。方法は,まず,被験者にクレペリン検査による負荷を与え,その後,読書やウォーキングなどの活動を行い,ストレスからの回復度を調査した。調査には,唾液中のアミラーゼ濃度を用いた。その結果,ウォーキングなどの体を動かす活動で回復が早まることがみられた。すなわち,幼児にとってストレスになる活動が行われた後に,体を動かす遊びを位置づければ,ストレスの解消が促進されるという仮説が示唆された。今後は,被験者を幼児として研究を進める予定である。
 特別支援教育に関する困り感の解消活動として,本学部の学生に,松江市内の特別支援学校の肢体不自由生徒へ提供する教材作成を行わせ,提供した。完成した教材は,授業に活用していただいた。教材は,次の通りであり,ともに上肢の巧緻性の発達を,楽しみながら促す教材である。
 ①タッチスイッチ式電子音楽発生装置
 ②拡大スイッチ式回転台
  今後,特別支援学校と連携を図り,教材作成は引き続き行う予定である。
研究組織
所属・職 氏名 専門分野
人間生活環境教育講座 教授 ○橋爪 一治 技術科教育,情報教育,
生体信号処理
附属幼稚園 副園長 伊藤 英俊 幼児教育,学校教育
人間生活環境教育講座 教授 舟木 賢治 幼児教育,細胞生物学,
発生生物学,遺伝学
人間生活環境教育講座 教授 高橋 哲也 被服学,繊維高分子,
環境材料,生化学
人間生活環境教育講座 准教授 西田 忠男 幼児教育,道徳教育
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)
 子どもと接する学生の意識が,困り感や安全に対し敏感になり,生活環境や実態を注意深く見守り,環境の改善を図る実践的態度や工夫する能力が向上する。このように,地域を基盤として本学部学生の教師力を実践的に高めることができる。
 附属幼稚園をはじめ地域との交流が行われることで,これまで以上に大学と地域との心的,物的な距離が近くなり,その後の交流が加速し地域貢献度が向上することが予測できる。
 本プロジェクトは,幼児期の運動や認知機能の発達,特別支援教育,安全・安心な教育環境づくり,人間工学等の研究要素を含んでいる。このため,今後の科学研究費補助金の獲得等につながる研究への発展が期待できる。
 成果の公表は,困り感に対する改善を学校や保育所等へ提案するとともに,報道機関への情報提供を行う。さらに,学部紀要等へ掲載する。
学生と教員が一体となって,子どもたちの困り感を解消するという社会貢献につながる。
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