ごあいさつ

未来への投資として教育実践研究


教育学研究科長 川路澄人

 島根大学大学院教育学研究科は,令和4年度から教育実践開発専攻の1専攻に再編され,教職という専門職に特化した大学院になりました。コース分けのない1専攻であるからこそ,現職派遣教員と学部新卒学生の両者がそれぞれの経験と知識,立場から講義の内外で議論しながらお互いを刺激し合い,高め合う研究科になっています。また,現職教員と学部新卒学生はそれぞれの求める学修が異なるため,院生は座学の講義はもちろん,実習の内容もメニューの中からオーダーメイドで選択することができます。

 さて,現在の教育現場とそこで行われる授業をはじめとした様々な教育活動は10年後,どのような姿になっていると考えられるでしょうか?伝統的な価値観を大切にする教育の世界であっても,新型コロナウィルスの感染拡大という現実を前に,一人一台端末というGIGAスクール構想があっという間に実現しました。それ以前に,ほとんどの国民がスマートフォンを持ち,日々の生活に必須なデジタルツールになったことを考えると,私たちは一つの事件,一つのモノにより大きく変化してしまう社会に生きています。この変化は児童・生徒の変化にとどまらず,これからの時代に必要となる能力とその基盤となる学習内容及びその教育方法も変化せざるをえないことを示しています。絶えず研究と修養に努めなければならない教師は自らの教育実践だけでなく,自らの思考を常にアップデートしていく必要があるのです。

 学部新卒学生に対しては,理論に裏打ちされた自分の教育実践力と経験値を更に高めて教育現場で活躍したいという思いに応えます。現職教員に対しては,日々の教育実践の中での悩みや疑問といったものをどのように解決,解消していけば良いのか,更には今行っている教育活動を冷静に客観視し,分析できる重要な時間になると信じています。

 山陰で唯一の教職大学院で自分の「教職という職能」に対して未来への投資をしてみませんか?教育,そして自分自身に対して真摯に向き合う皆さんをお待ちしています。

 

 

子どもの未来のための教育をここから


教育実践開発専攻(教職大学院)
専攻長 加藤寿朗

 グローバル化,情報化など子どもを取り巻く環境が大きく変化する中で,学校教育への期待は益々大きくなっています。大きく変化する社会,それ故,先を見通すことがますます困難な社会で,たくましく生きていくことができる資質・能力が求められています。

 このような中,全国の小・中・高等学校では新しい学習指導要領に基づく教育課程が全面実施されました。そこでは,生きて働く知識・技能の習得,未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成,学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力,人間性等の涵養が目指されています。これらの資質・能力は,子どもたちの今はもちろん,15年後や20年後の将来においても必要とされる大切な力だと考えられます。今まさに,「子どもの未来のための教育」の実現が求められています。

 島根大学教職大学院は,変化の激しい社会に主体的かつ創造的に対応する教師を育てるため,令和3(2021)年度に大学院教育をリニューアルしました。目指す教師像は次の3つです。

 ○優れた教科指導力を持つ教師

 ○組織の中で力を発揮する教師

 ○子どもを深く理解し支える教師

 このような教師になるために,授業デザイン,学校創造,子ども支援に関する科目を増やし,より深く学べるカリキュラムに刷新しました。また,大学院生のニーズに応じたオーダーメードの学びができるよう授業科目の選択の幅を増やし,あなたの「なりたい」をより支援するシステムに変更しました。

 子どもの未来のための教育に向けて,ここ島根大学教職大学院であなたの学びをはじめませんか。