「高度な専門的能力・資質の生涯発達を支える基盤を」

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教育学研究科長 加藤寿朗

 少子高齢化の加速やグローバル化の進展など、近年の社会変化には目を見張るものがあります。これからの時代に求められる資質や能力を備えた社会人・職業人の育成は喫緊の課題です。
 このような現代社会の動向から派生する以下の問題があります。一つは、変動し続ける社会での職業生活では、各キャリア・ステージ(ラダー)に応じて学び続ける必要があることです。他の一つは、地域ごとの特殊性の問題です。グローバル化が進む一方で,特に都市部と中山間地域にみられるような、地域ごとの差異化が進んでいます。
 たとえば,島根・鳥取両県の課題の一つに少子高齢化があります。少子高齢化の中での学校の在り方や教育のための地域との協働的関係の築き方、また、少子化の中での人間関係や集団の中での不適応への支援など、各地域における諸課題を解決する能力資質をもった人材が必要です。
 本研究科の目的は、現代・地域社会が有する課題を解決することができる高度な専門的能力や優れた資質を有する教師及び臨床心理の専門家の養成にあります。平成28年度からの新たな教育学研究科には,この目的を達成するため以下の二つの専攻をおきます。
 「教育実践開発専攻(教職大学院:専門職学位課程)」では,地域や学校教育以外の専門家とも協働しながら教育課題の解決を主導できるスクールリーダー育成(現職教員入学生),及び高度な教育実践・研究力をもち教育現場で活躍できる即戦力教師の育成(学部新卒学生),これらを目指します。「臨床心理専攻(修士課程)」では,教師や諸関係機関専門家と協働して社会・集団適応等に問題を抱える子どもを支援することができる臨床心理専門家の養成を目指します。
入学された皆さんが、専門的能力・資質の生涯発達の基盤となり得る知識・技能や研究力を,本研究科での学修を通して培われることを強く期待します。


 

「山陰両県の教員育成の拠点を目指して」


教育実践開発専攻(教職大学院)
専攻長 松本一郎

 島根大学教職大学院(教育学研究科教育実践開発専攻)は2016年度に設立し、2018年度からは山陰両県に修了生を輩出してまいりました。また、日頃から山陰両県の教育委員会や学校現場をはじめとする教育機関と「山陰教師教育コンソーシアム」を通しての情報交換や交流を進める中で、教育の質の向上を推し進めているところです。
 教職大学院での学びは、日々変化する教職現場の様々な課題に対応すべく、目指す教師像として島根大学教職大学院では「学び続ける教師」の育成を掲げています。つまり、学び続けるには教師自身の学びに対するモチベーションが必要です。そのモチベーションの持ち方は、魅力的な授業内容や授業方法の実践・開発、豊かな学修環境によって実現すると考えております。これらの仕組みや環境は、正にスクールリーダーを育てるのに最適な環境を提供できていると自信を持っております。
 学習指導要領では子どもの「主体的・対話的で深い学び」が重視されていますが、これは教師自身にも求められるものであり、正に教職大学院での学びそのものであると言えます。教壇に立った修了生の授業や活躍を見る機会がありますが、どの顔も自信とやる気に満ちあふれています。 入学された皆さんが、山陰両県の教育を支えるとともに教員としての40年にも及ぶ教職人生を実り多きものにするために、教職大学院への進学を考えてみてください。


 

「臨床心理の専門家を目指す方へ」


臨床心理専攻
専攻長 岩宮

島根大学大学院臨床心理専攻では、「臨床心理士」と「公認心理師」のふたつの受験資格を得ることができます。 本大学院の一番の特徴は、臨床の実践教育にとても力を入れているというところにあります。年間延べ6000を越える相談事例がある島根大学こころとそだちの相談センターで実際に事例を担当し、実践的に心理療法を学んでいけるようにしています。そして担当事例については本大学院の教員が個別に指導(スーパーヴィジョン)を行って、しっかりとクライエントと向かい会えるようにバックアップしています。この、こころとそだちの相談センターで多くの個別事例に関する実習を体験できるというのが、本大学院でもっとも大事にしていることです。
その他にも、総合病院や精神病院、そして精神科クリニックでの臨床実習、小・中・高校でのメンタルフレンド実習、児童相談所、少年鑑別所実習など、医療、教育、司法の各分野での実習も充実しています。そのような実習を通じて、さまざまな関係機関の専門家とどう連携をとっていくのか、現場では何が求められているのかということも学ぶことができます。
 臨床心理の専門家としての基礎を学んで修了したあとは、病院、クリニック、公務員の心理職、教育の専門機関やスクールカウンセラーなど、それぞれの現場で先輩方は臨床に取り組んでいます。そしてこの仕事は一生、勉強を続けていくことが必要です。そのため卒後教育も充実しており、修了後も定期的に研修会を開催しています。