第3回だんだん塾講演会

 最近,学校現場ではコミュニケーション能力の育成が重要視されています。しかしながら近い将来,学校現場に立つ予定の学生の中には,表現力が乏しく,自分自身の思いや考えをどう整理して相手に伝えていったらよいのか不安に思っている学生も少なからずいるのが現状です。

 そこで,今回の第3回だんだん塾では,話し手のプロでもあるアナウンサーの方をお招きし,自分の思いをどのようにして相手に伝えたらよいのか多様な視点からご講演いただきました。 

実施日: 平成24年1月18日(水)12:45~14:15
会場: 教育学部多目的ホール(517)
参加者: 教育学部 学生35人(1~4年生)

演題「自分の思いをのせたコミュニケーション」

講師 山根 伸志 さん(株式会社 山陰放送アナウンサー)

 学生は,自分の考えや思いを相手にわかりやすく伝えるためのテクニックや心がけなどを多く学ぶとともに,自分自身の思いや考えをどう整理して相手に伝えていったらよいのかという課題に迫る糸口がつかめたのではないかと思います。
 山根先生から教わったテクニックや心がけについて紹介します。

・社説を100文字でまとめる。まとめた文章の中に,問題提起や感想をいれるとさらによい。

・コミュニケーションをとる際に最小限の情報で伝えることが大切である。伝える内容の中に,「伝えたいことが3つあります。」「1分間時間をいただいてもいいですか。」等,要点を絞ったり,具体的な数字を入れて話したりすると相手も聞きやすい。

・「明瞭な言葉」「平易な言葉」「抑揚のある言葉」で話をすることが大事である。

・緊急時でも落ち着いて話すことによって,相手に安心感を与える。

・言葉づかいはとても大切で,言葉を磨く技術も身につけてほしい。

・話をする時に,相手をほめること。

・自分が世界一”だと思い込む。面接などのあらたまった場では強く思い込み,自信をもって話す。
 山根さんは,現在,主にラジオ番組を担当しておられます。途中,架空の高校野球の実況をしていただきました。声だけですが,バッターの打った白い球が,青い空を背にして遠くに飛んでいく情景が目の前に広がりました。
  さすがプロの実況だと感じました。学生たちも臨場感あふれる実況に聞き入っていました。

-----学生の感想-----

山根さんが架空の実況をされる時に,「プロの部分もお見せします。」とおっしゃっていたが,会話で大切にしていること,生の実況,伝えるためのポイント等を聞いて本当にプロフェッショナルに仕事をされているのだと感じた。会話で大切なこととして「最小限の情報」や「数字」を挙げておられて,私自身も多少は意識しているが,改めて大切なことと感じ実際に例も示してくださったので分かりやすかった。

最初はアナウンサーといっても教師と全く違う仕事だからと思っていたが,教師としてもまた実際の生活においても大切なことをたくさん教えていただきとても参考になった。「コミュニケーション=会話」というのは今実習セメスター活動で小学1年生と毎週関わっていく中で私も強く感じていた。今日学んだ「できるだけ短くコンパクトに最小限の情報を伝えること」や「興味を持ってもらえる言葉を入れる」「アクセント・抑揚・平易」ということをこれから実践していこうと思った。
山根さんの講演の中で,就職活動の時にどのようなことを実践しておられたのかという話題もあり,社説を読み自分の思いを100字程度にまとめ,その中に問題提起を入れるという勉強は,教育に関する記事に応用してもいいし,これを機にぜひ取り組んでみたいと思う。また,自分の引き出しを増やすということも意識しながら,残りの大学生活を過ごしたいと思う。
今までコミュニケーションをとる上で何が足らないのだろうか,このような場面ではどうしたらよいのだろうかなどの疑問を質問し適切なアドバイスをいただけたのでこれからの生活に役立てていきたいと思った。また講演会を聞いて感じたのは,山根さんの話術には人を引きつけるものがあるということだ。自分も相手を引きつけるコミュニケーションをとれるように努力していきたい。
今回の講演で相手に物事を伝えるためのポイントをいくつか学んだ。私はコミュニケーションをとる際,今まで自信がもてなかったので,今後の課題としてまずは様々な年代の方と触れ合い,そこからその年代に応じた話し方や言葉遣いなどのコミュニケーションスタイルを学んでいこうと思った。

 学生たちは真剣なまなざしで聞きいっていました。山根さんには,自分の思いをどのようにして相手に伝えるのか具体的に話をしていただき,この講演会で学んだことを今後の大学生活や卒業後の社会生活で活かしてほしいと思います。