令和7年度 第26回 教育学部・教育学研究科アカデミックカフェを開催しました

公開日 2025年07月25日

第26回 島根大学教育学部・教育学研究科アカデミックカフェを開催しました

 

 

発表者: 竹田健二先生

日 時: 令和7年7月23(水)17:00~18:00

方 法: 対面

場 所: 212研修室

題 目: 西村天囚は含翠堂を知らなかった?―天囚の懐徳堂研究と含翠堂―

 

 

 今回は、日本漢学がご専門の竹田健二先生に、西村天囚の懐徳堂研究に関するお話をしていただきました。懐徳堂とは1724年に大坂町人によって設立され、1869年に閉校した学問所、西村天囚とは新聞紙面での「懐徳堂考」の連載、講演会での講演を通して、懐徳堂顕彰運動を先導した大阪朝日新聞の記者であることをご説明いただきました。

 竹田先生は、「なぜ懐徳堂が顕彰されるようになったのか」、「なぜ天囚は講演で懐徳堂のモデルであった含翠堂について言及しなかったのか」といった疑問から資料を発掘し、丹念に調査されました。そして、発掘した講演の草稿から、天囚が緻密な考証を経て「懐徳堂考」を連載していることや、天囚が講演の段階では含翠堂の存在を把握していなかったことが推測される、など資料から得られる知見を丁寧にご提示くださり、その知見の豊かさに引き込まれました。

 他にも多くの資料をご紹介いただき、多くの疑問を持って資料を探究される中で、研究を広げるとともに、深めていく研究者の姿勢をお示しいただきました。楽しみながら思索を深めていく研究の原点に立ち返る貴重な1時間でした。