学校教育実習の紹介

 本学部では1年生から4年生まで教育実習のプログラムが組まれています。

 教育実習では「授業を観察・分析する能力」「授業を構想する能力」「授業を実行する能力」を育成することを目標に、体験を積み上げていきます。

 1年生は、主として「教わる側から教える側へ」という意識転換をはかり、教職への理解を深め、「教師になる」ことへの意識を高めます。

2年生は、「授業設計の基礎を培う」目的で、各専攻に対応する校種(幼稚園・小学校・中学校)や教科の授業観察と授業協議を行い、教科指導の視点の獲得や授業記録方法の習熟をめざします。

3年生は、「授業実践力を身につける」ために、各学級に配当され、教科指導に力点を置くとともに、学級経営に関わる実践的トレーニングを行い、教職へのより深い理解と基礎的な実践力の育成を図ります。また、異なる校種でも実習を行ない、さまざまな年齢層の子どもを相手にすることにより、子どもの成長・発達をより豊かに理解します。

4年生は選択実習です。それまでの教育実習の経験を生かして自らの実習を深化・発展させていきます。

ここでは1年生の学校教育実習について紹介します。

「学校教育実践研究Ⅰ」と「学校教育実習Ⅰ」

1年生では「学校教育実践研究Ⅰ」と「学校教育実習Ⅰ」がパッケージになった実習系カリキュラムを履修します。5日間の附属学校園における「学校教育実習Ⅰ」とその事前・事中・事後の指導となる「学校教育実践研究Ⅰ」によって構成されています。以下に両カリキュラムについて紹介します。

 「学校教育実践研究Ⅰ」(30時間)の概要

No
講義の概要
時間数
1
オリエンテーションと1分間の自己紹介スピーチ
2
2
小学生や中学生を想定した自己紹介
2
3~6
授業ビデオを使った授業観察記録のトレーニング
8
7.8
附属幼稚園・小学校・中学校によるオリエンテーションと諸注意
4
9~13
「学校教育実習Ⅰ」後、大学においてグループごとの授業協議
10
14.15
1分間スピーチとまとめ、今後の実習についてのガイダンス
4

教員に必要な能力は何でしょうか?

この時間は「コミュニケーション能力」と「授業を観察する力」の二つに着目して学習します。

学校教育の現場では相手を想定した言葉かけが常に重要になります。幼稚園児から中学生までの相手を想定したコミュニケーションの方法について考える時間です。人前で話すこと、自分の考えを伝えようとすることを講義の各所に取り入れトレーニングします。

これまで授業を受ける側にいた1年生も、これからは授業をする側になります。授業の流れとは?教師の言葉かけは?等を考えながら授業観察をします。

授業ビデオを使った観察記録のトレーニング
(中学国語)
実習後のまとめとして「自分が学んだこと、考えたこと」をグループで話し合い

「学校教育実習Ⅰ」(20時間)の概要

「学校教育実習Ⅰ」は5日間の附属学校園(幼・小・中)を活用した観察実習です。「学校教育実践研究Ⅰ」で学んだ授業記録の取り方や自己紹介の仕方を実際に実践する貴重な機会となりました。1年生を5つのクラス、クラスを4つのグループに編成し、各クラスごとに附属学校園を体験します。

<5日間のスケジュール>(例:Aクラス)

No
講義の概要
時間数
1
附属幼稚園(4.5才の子どもたちの活動を観察します)
4
2
附属小学校(1.2年生の学級で授業参観、朝の会で自己紹介をします)
4
3
附属小学校 (5.6年生の学級で授業参観、中休みの15分間は子たちと関わります)
4
4
附属中学校(1年生の授業参観、朝の会で自己紹介をします)
4
5
附属中学校(2年生の授業参観、総合的な学習の時間等の参観もあります)
4


教育学部で学ぶ学生にとって、実際に子どもと関わることはとても重要なものです。これから学ぶ教育の理論と方法、専門の知識の全てが子どもたちを教育するためにあるのです。自分の想像の世界ではなく、実際の子どもの様子をきちんと観察することから理解できることがたくさんあります。

朝の会での自己紹介(附属小学校)
園児とふれ合いながら観察する様子
(附属幼稚園)