入門期セミナーⅠ

本セミナーの特徴は,ピア・サポート制度を活用し,先輩である上級生によって研修内容の大半が企画・運営されている点にあります。今年度は,11名の総括・統括スタッフを中心に,38名の上級生が学生スタッフとして参加しました。研修2~6を学生企画として担当し,新入生の目線に立った有意義なセミナーを実施することができました。
本年度の活動の様子を紹介します。

 

本セミナーは,次の2点をねらいとして,入学早々の教育学部新1年生173人に必修で行う宿泊研修です。今年度は,平成28年4月16日(土)~4月17日(日)に島根県出雲市にある島根県立青少年の家で行いました。

ねらい:

教育体験活動「1000時間体験学修」の全体像を把握し,大学生活4年間の教育体験活動に対する見通しを持つ。

これからの大学生活を共にする学生同士が交流を深め,円滑な人間関係を築くきっかけとすると共に,島根大学教育学部生としての自覚を高める。

本セミナーの特徴は,ピア・サポート制度を活用し,先輩である上級生によって研修内容の大半が企画・運営されている点にあります。今年度は,11名の総括・統括スタッフを中心に,38名の上級生が学生スタッフとして参加しました。研修2~6を学生企画として担当し,新入生の目線に立った有意義なセミナーを実施することができました。
本年度の活動の様子を紹介します。

 

 

  【日程】

nyuumon1.jpg

 

 

【開講式】

nyuumon2.jpg

開講式では,小川教育学部長から,これから宿泊研修を行う新1年生に対して激励の挨拶がありました。そして,本セミナーのねらいについての説明と学生スタッフの紹介をしました。

研修1 1000時間体験学修における教育体験の意義について

nyuumon3.jpg 

1000時間体験学修の意義について,学部教員による講義を行いました。新入生は,これから臨む1000時間体験学修についての全体像を把握しようと,熱心に聞いていました。

研修2  基礎体験活動の進め方

nyuumon4.jpg
基礎体験活動の流れや魅力を,学生スタッフの体験をもとにした劇や解説を通して学びました。
新入生は,活動の登録の仕方や事前・事後指導のあり方,子どもとふれあうことから得る学び等を楽しく分かりやすく理解することができました。

研修3 出会いの場の演出と仲間づくりⅠ

nyuumon5.jpg

学生スタッフのリードにより,様々なレクリエーションをしました。活動する中で,緊張が少しずつほぐれ,笑顔も多く見られました。またゲームを通して自然に協力し合うこともできるようになり,1年生同士の,特に班の仲間との円滑な交友関係を築くことができました。

研修4 大学生の一般常識とマナーについて

nyuumon6.jpg

基礎体験活動に臨むにあたって,社会人として必要な一般常識とマナーについて,学生スタッフの劇やクイズを通してグループ別に協議を行いながら学びました。

研修5 基礎体験活動や大学生活について

nyuumon7.jpg

学生スタッフの体験発表と班ごとのディスカッションを通して,1000時間体験学修や大学生活についての理解を深めました。悩みや失敗も含め,自分の言葉で熱心に語る学生スタッフの体験発表に,1年生が引き込まれる様子がどの研修室でも見られました。また,1年生からの疑問や心配事に対し,学生スタッフが経験をもとにわかりやすく答えたり,アドバイスをしたりしていました。

研修6  仲間づくりⅡ~ミニ運動会~

nyuumon8.jpg
 

入門期セミナー初の企画であり,本年度入門期セミナーの最大の特徴の一つです。「班以上クラス未満の友だちも知ろう」を合言葉に,クラス対抗ミニ運動会が行われました。午前9時開会にもかかわらず,会場のムードは一気に盛り上がり,綱引き・ムカデ競争・大縄跳びなどに,心地よい汗を流しました。

研修7 振り返り

新入生と学生スタッフ,それぞれが本セミナーでの成果と課題について振り返りました。

nyuumon9.jpg

【閉講式】

閉講式では,新入生はもちろん学生スタッフもこの2日間,体験しながら学んだことをそれぞれに胸に刻み,お互いが本年度の大学生活に期待と意欲を高めることができ,無事に修了しました。

nyuumon10.jpg

≪ 新入生のふりかえり ≫
 全項目において,肯定的回答5,否定的回答1とした5段階評価で集計し,その割合を円グラフに表しました。

nyuumon11.jpg

○この入門期セミナーに行く前は,せっかくの土日がつぶれて嫌だなとネガティブなことばかり考えていた。しかし,今振り返ってみるとこの2日間は思いで深いものとなりよい経験ができたと思う。この研修で私は,①1000時間体験学修について詳しく理解する,②友達の輪を広げるという2つの目標を持っていた。特に①について,「基礎体験活動は適当にやっても時間はたまるが価値はほとんどない。自分の目標や課題を持って本気でやったら価値が100になる。」という先輩の言葉が心に残った。これからの基礎体験活動400時間をただこなすのではなく,自分の将来へ役立てたり,社会との関係を持ったりするために取組んでいこうと決意した。

○2日間を過ごしてみてすごく実りのある研修になった。前から僕は「1000時間体験学修」を「1000時間ボランティア」と呼んでいた。そのため,「誰かのために何かを1000時間分してあげる」という意識が強かった。しかしこの研修を通して,ぼくの中の意識は,「自分に必要なものを得るために自分から進んで行う」に変わった。特に良かったのは,学生スタッフさんの挫折話を聞けたことだ。いつも良い事ばかりではなく,時には辛いこともある。それを含めて1000時間体験学修であり自分を成長させるための経験ができるものという意識になった。2日間でぼんやりとしていた大学生活が,少し明確な目標をもった大学生活になった。ここから進んで色々な体験をしていきたい。

○先輩方のユーモア溢れる劇や,先生方の講義を通じ,それまでぼんやりとしていた1000時間体験というものをしっかりと理解することができた。「卒業したいから」でなく「卒業した後に活かしたいから」という意識をもつことができた。まだ実践していないので不安もあるが,学生スタッフの方からの貴重なアドバイスも参考に積極的に取り組みたい。

○私は,このセミナーを通して,島根大学の学生になったという自覚,そして教育学部に入り先生を目指すことができる嬉しさを感じた。2年生の学生スタッフさんの話を聞いて最初から人前で自分を出すことや自分の思いを表現できた訳ではなくて,悔しくてもどかしくて涙を流したこともあったのだということを知った。1年間という時間は,こんなにも人を成長させることができるのかと驚きを隠せなかった。何度も何度も丁寧に説明を受けた1000時間体験を理解し始めた時,先輩方の姿を見て,なるほど,何故先生・先輩方が胸を張ってこのカリキュラムが素晴らしいと言うのか,自分から取り組めば取り組むほど価値のあるものになるのかということが分かった。先生という夢を叶える過程で,私もこの島根大学の教育学部のカリキュラムでいろんな体験をし,自分に自信をつけていきたいと思った。

○新たに始まった大学生活は,自分が思っていた以上に大変なスタートで,自分は本当に不安と戸惑いでいっぱいだった。大学での新たな学習に人間関係,数え切れないほど本当にたくさんあった。そんなドタバタしたまま向かえた今回のセミナー。正直「最初の週末くらい休ませてくれよ…」と思っていた。でも2日間終えた自分の中には,参加してよかったと思う充実感しかない。それは,班の仲間と先輩のおかげだ。人に支えられていることを実感したと共に,今後の大学生活の人間関係にも少し余裕がもてる気がする。また,1000時間もこれまでの講義のような説明ばかりで「取り敢えずやるもの」としか捉えることしかできなかったものから,先輩たちの熱心な説明と経験談を聞いて,すごく魅力あるカリキュラムだということが伝わった。この2日間は大学生としての基礎が築けたと思う。ここから4年間で人として大きくなりたいと思う。

 


 ≪ 学生スタッフのふりかえり ≫
○統括として新入生・グループリーダーを全体的に見ながら行動することができた。また、各々の研修が上手く進行するように配慮しながら、自分の役割を一生懸命遂行するよう努めた。そうした意味において、下級生や新入生に対して先輩としての姿が見せられたのではないかと思う。入門期セミナー本番までの研修ごとの打合せや会議等にも積極的に参加することができ、学生スタッフが団結できてことが何よりも有意義であった。

○入門期セミナーを運営していく立場として、各会議などの前に準備してから参加できたことはよかった。ただもっと議論が活性化するような質問や投げかけをして、スタッフメンバーの意識をさらに高めるような働きかけができるようにしていきたい。今回、新たな取組として運動会を行ったが、どのような内容であれば新入生が楽しめて交流できるのか、ケガなく安全に活動するにはどこに危険があるのかなど考えることができた。企画力とリスクマネジメントについても考えることができたと思うので、他の活動の際にも意識していきたい。

○今回の活動で伝えたいことは「感謝」である。学生スタッフも新入生も温かく迎えてくれた。 この活動を通して一番感じたことそれは“1つのものを皆で作っていくことの素晴らしさ”です。成長したこと,課題,他にもいろいろなことを経験したが,このやった人にしか分からない素晴らしさを感じることができたことを自分の宝にしたいと思う。今後もさらなる高みを目指してがんばりたい。

○劇班の同級生や後輩にとても刺激を受けた。演劇力に限らず、緊張に打ち勝つ力や自分のよさを発揮できるようにする力など尊敬できる部分が多く,とても良い環境で活動できたことに感謝している。これからは教育実習などで授業をする場面などもあるので,自分を出していくことにしっかりと頭や体を使って,試行錯誤していきたいと思った。

○今回の活動を通して成長したと思うのは,広い視野を持って行動することができるようになったことである。昨年の活動では,自分の班の1年生を見ることが精一杯で,先輩に頼ってしまうことが多かったが,今年は周りの班のことも見ながら行動することができた。今後1000時間体験では上回生として責任を持ち,リーダーシップを発揮しなければならない場面も多くなると思う。周りのことにも気を配りながら活動できるよう努力していきたい。入門期セミナーは,自分の強みや弱みを発見できるし新たな自分を見つけることができる。1年間の自分の成長を実感できるとても良いものだと思う。

 

学生参画による入門期セミナーⅠは,新入生にとっても,2,3年生にとっても学びの多い貴重な体験の場となっており,今後も充実した活動にしていきたいと思います。