入門期セミナーⅠ

ねらい:

教育体験活動「1000時間体験学修」の全体像を把握し,大学生活4年間の教育体験活動に対する見通しをもつ。

これからの大学生活を共にする学生同士が交流を深め,苦楽を共に享受しようとする仲間意識を培うと共に,島根大学教育学部生としての自覚を高める。

実施日: 平成23年4月16日(土)~4月17日(日)
会場: 島根県立青少年の家「サン・レイク」 【出雲市小境町1991-2 ℡(0853)69-1316】
参加者:

島根大学教育学部1年生173名,学生スタッフ36名,教職員14名,合計223名

【日程】

【開講式】

開講式では,まず伊藤学部長の挨拶を聞きました。続いて,入門期セミナーⅠのねらいについての説明と2日間お世話になる先生方や学生スタッフの紹介をしました。

研修1 1000時間体験学修における教育体験の意義について

1000時間体験学修における教育体験の意義をはじめ,「基礎体験領域」「学校教育体験領域」「臨床カウンセリング体験領域」についてのくわしい説明を,担当の先生方よりしていただきました。

研修2  基礎体験活動の進め方

基礎体験活動の魅力や活動の流れを,学生スタッフの体験をもとにした劇や解説で具体的に説明しました。特に,事前指導・事後指導の大切さや,子どもとふれあうことの喜びを楽しく伝えました。1年生は,基礎体験活動の流れを知り,セミナー後,スムーズに体験活動の登録等をすることができました。

研修3 大学生活について~先輩に学ぶ(班でのディスカッション)~

班ごとに自己紹介や簡単なアイスブレイクを行い,その後学生スタッフが,1000時間体験学修や大学生活全般についての疑問や心配事に対し,自分自身の経験をもとにしてわかりやすく答えていました。これらの活動を通し,1年生は今後の大学生活の見通しがもてたようでした。

研修4 出会いの場の演出と仲間づくり

学生スタッフのリードにより,さまざまなレクリエーションをしました。楽しく活動をする中で,緊張が少しずつほぐれ,笑顔も多く見られ,1年生同士の円滑な交友関係を築くことができました。

研修5 大学生の一般常識とマナー

基礎体験活動に参加する上で必要な一般常識と社会人としてのマナーを,劇やゲームなどの演習を通して実践的に学びました。特に,受け入れ先への電話のかけ方やメールの打ち方など,初めて知ることも多くとても参考になったようです。

 研修6  選択体験活動

宍道湖での湖面活動,施設周辺でのオリエンテーリング,一畑薬師へのハイキング&サイクリング,施設を利用したニュースポーツなど,さまざまな体験活動を班で選択して行いました。自然の中での体験を通してさわやかな汗をかくとともに,班の仲間とのコミュニケーションも深めることができました。

 研修7 基礎体験活動記録票の記入及び臨床カウンセリング体験アンケート

①基礎体験活動記録票の記入
基礎体験活動記録票の記入について説明を受けました。また,このセミナー全体を振り返り,セミナーで得た学びや今後の体験学修における自己課題などを記録票に書きました。 

②臨床カウンセリングアンケート
2年生から履修する「臨床カウンセリング体験領域」にむけての事前アンケートを行いました。多くの設問に答えることにより,授業への関心の高まりが感じられました。 

 【活動説明会】

基礎体験活動でたくさんの活動の場を提供してくださる鳥取県と島根県の社会教育施設の方から,それぞれの活動内容の説明や活動を通して身に付く力等について話をしていただきました。

 【閉講式】

境センター長より,入門期セミナーⅠでの学びを今後の学修や大学生活に生かし,4年間で確かな教師力を身に付けていくことについての話がありました。また,1年生代表よりお世話になった学生スタッフや先生方に感謝の言葉が述べられ,学生スタッフからも応援メッセージが伝えられました。

≪ 1年生の感想 ≫

○1000時間という不安も少し解消されました。期待と同時に,不安も大きかったのが,今では,「あれをやってみたい」や、「これはできそう」という気持ちになりました。きっと,これからまた先輩や先生に相談をするとは思いますが,やりたいことが見つかってよかったです。子ども達と触れ合いながら,子ども達や自分自身も成長できるような体験にしたいと思いました。

○グループリーダーの先輩方から学んだことは多いです。1,2歳上なだけなのに,集団をまとめる力,リーダーシップの差は大きかったと思います。私は,積極性に欠けているのでもっともっと先輩のように皆をまとめ,引っ張っていけるそんな強さを,これからの体験や実習を通して身につけていきたいと思います。教師になりたいという夢をより深く大切なものと思わせてくれたセミナーに参加でき,本当に充実した時間を送れました。

○私は将来高校の教師になりたいと考えています。子ども達が大好きで,たくさん関わりたいと思っています。だから,「1000時間体験学修」で子ども達と触れ合うことができると思うと,今から胸を躍らせています。入門期セミナーⅠを終え,改めて「1000時間体験学修」がある島根大学に入学してきて良かったなと思いました。この貴重な体験を大いに活用して教師になるための力を身につけていきたいです。

○今回の活動で私が最も感じたのは,「島大・教育の雰囲気のよさ」です。この雰囲気を作っておられるのは,今回お世話になった先輩方だと思います。「真剣な時はカッチリこなし,遊ぶ時は全力で楽しむ」,そんな先輩方に憧れを抱きました。今回の活動で,島大・教育という場所がどれほど恵まれた環境なのかを知ると同時に,この環境をどう活かしていくのかが,今後の私をステップアップさせていくための鍵なのだと感じました。来年の私が,今の先輩たちのようになれるように,基礎体験活動等,積極的に取り組んでいきたいです。

≪ 学生スタッフより ≫
○私はこの体験で,積極的に動くことを目標にして参加しました。普段は,自分から声かけなどは行いませんが,自分から1年生や学生スタッフに声かけができたので,リーダーシップの面が少し向上したと思います。入門期セミナーⅠでは,1年生に1000時間体験学修について理解してもらい,その魅力に気付いてもらうことをねらいにしていますが,私が一番良さや魅力に気付いたと思います。あと2年しかありませんが,様々な活動に目標をもって取り組むことで,少しでも良い先生に近づけたらと良いと思います。(3年生男子)

○入門期セミナーⅠの学生スタッフをやってみて,様々な考えをもった人たちのリーダーシップをとったり,その人たちと協力していったりすることの難しさを感じました。リーダーとなる人は,常に周りを見て気にかけ,具体的な指示を出さなくてはいけないと思いました。楽しむことは大切だけど,それだけではない,それだけでは人をまとめることはできないと思いました。今回の活動で,企画力やプレゼンテーションの仕方を学ぶことができたと思います。今まできちんとやったことがなかったのですが,1年生や他の2,3年生の心に響くような言葉や文字を選んで自分なりにまとめることができたのではないかと思います。(2年生女子)

○昨年の入門期セミナーⅠが終わった時に,仲間と一緒に「来年は今年よりも良いものをつくっていこう」と話していたことが懐かしかったです。いざやってみての感想は,良いものができたと思っています。自分は統括で,他のグループリーダーと一緒に活動することは少なかったですが,終わった時の一体感が最高に気持ちよかったです。自分の目標であった“「楽しかった」と他の人に言ってもらえる活動(サポート)にしたい。”は達成できましたし,後輩と一緒に活動できてとても嬉しかったです。ただ残念なのは,その後輩が来年どんな入門期をつくっていくかを見られないことです。(3年生男子)

入門期セミナーⅠは,新入生を対象とした初年次教育のガイダンスであると共に2,3年生の学生スタッフ参画の研修として位置づけ実施しています。研修2,3,4,5や朝の集いを学生企画とし,セミナーの進行や新入生への指示などの運営の大部分も学生スタッフ主体としました。今年度は,6名の総括スタッフを中心に,36名の学生スタッフが参加し,2月の中旬より多大な時間と労力を費やしながらセミナーの企画や準備を行い,新入生目線に立った有意義なセミナーを実施することが出来ました。

新入生の感想を見ると,4年間の大学生活の見通しが持てたと同時に,自分もこんな先輩に早くなりたいと思った者も多くいました。学生スタッフの感想には,自分自身の変容や成長,仲間とのつながりを感じたなどの内容が多くありました。

学生スタッフ参画による入門期セミナーⅠは,新入生にとっても,2・3年生にとっても学び多い貴重な体験の場となっており,今後も充実した活動にしていきたいと思います。