発展期セミナー(4年生対象の基礎体験活動の総括)

 これまで3年間以上取り組んできた基礎体験領域における活動の学びを,4年生後期が始まるというこの時期に改めてふりかえり,その成果と課題を明らかにしました。

実施時期
平成23年9月26日(月)
会 場
教育学部35番教室
参加対象
教育学部 4年生 以上

1 趣旨説明と体験時間数の確認

 まず,各自で個人の活動時間集計表をもとに,これまでの体験活動時間数の確認を行いました。その後,体験時間数の卒業要件や4年生の体験活動の現状等について説明を行いました。

実施状況について,次に示します。

基 礎
 
学 校
 
臨 床
 
合 計
選 択
必 修
標 準
510
400
110
340
150
1000
平 均
716.6
610.4
106.2
340.2
143.4
1200.2

 
 特に,基礎体験領域の選択体験活動の数値が約610時間と非常に高く,4年生が熱心に多くの体験活動に取り組んでいることが分かります。
  また,この状況を体験時間別に分類すると,右図のとおりになります。時間数に多少のばらつきがあります。残り半期にさらなる体験の積み上げと,学びの充実を期待したいところです。


2 これまでの体験活動で学んだもの
 各自が体験活動の後に,事後指導を通して自分が得た学びをふりかえっています。しかし,この機会に,多くの活動を通して総合的にふりかえり,共有することで,新たな発見があるのではないかと考えました。
  そこで,『4年間の体験学修で学んだもの』として,5人の代表者に10分間程度,話をしてもらいました。教育活動を営んでいる現場での体験をもとに,概ね次のような発表がなされました。

 「自分がお手本を示すことで,かかわりのある子どもたちが変わってきた。そして,自分も成長することができた。」

 「子どもの活動を見守ること,そしてどのように対応することが,その子にとって主体的に活動できる術になるのかを意識し,行ってきた。」

 「学習活動においては,ただ単に体験するだけではなく自分で考えることで探究する姿勢が身につく。その支援のあり方を意識して,企画や運営を行ってきた。」

 「子どもとのかかわりを継続的に行うことで,本当の子ども理解ができ,効果的な声がけができ,その子の変容が実感できた」

 「辛いときもあったが,その時こそ,自分に一番向かい合うことができた。失敗から学ぶ姿勢,そして,仲間に頼ることを学ぶことができた。」

 これらの話に共感しながら,自分のこれまでの活動をふりかえることができ,有意義な時間となりました。


3 基礎体験領域アンケートより
 
最後に,多くの項目からなるアンケートを記入してもらいました。その結果を一部,紹介します。

Q:基礎体験活動をどのように感じていますか。
 多くの学生が本活動を有意義であったとしています。その理由として,
座学では得られない,体験を通した学びがある。
必然的に多くの人と関わりができ,ともに活動する中で視野が広がる。
自分の実際の力を試すことができ,そこから成長することができる。

などが挙げられています。実際に活動する中で,そのよさを実感し,自ら学修する姿勢をもち,あらゆる経験から学んでいこうとする主体的な態度も培われていることが分かります。


Q:入学当初の教職志向は基礎体験活動を通してどのように変化しましたか。
 教職志向との関連では,志向を強めた学生ならびに志向をもっていなかったがもつに至った学生が約半分を占めています。
子どもたちや現場の様子を,幅広く,長期間にわたって知ることができた。
自分が本気で教職になりたいということを再確認できた。
自分には何ができるかを把握し,課題を克服する機会が得られた。

 このように,自分の今後の進路や生き方について,実地に経験しながら考えることができたようです。


(3)おわりに
 これまでに行った基礎体験活動を振り返ることにより,身に付けた資質や能力,自己の成長などを改めて確認できました。入学当初の活動を始めるときの不安そうな様子から早いものでもうすぐ4年が経ちます。様々な経験は,自己のあり方や進路決定に与えた影響も大きく,充実したかけがえのないものになっていると感じます。
  卒業も間近になってきていますが,大学から巣立った後も,それぞれの進路において,自分自身で,身に付けた力を生かしてより一層成長していくことでしょう。