入門期セミナーⅠ

ねらい:

教師力・人間力育成の基盤となる教育体験活動「1000時間体験学修」の全体像を把握し,4年間の教育体験活動の見通しを持つ。

これからの大学生活を共にする学生同士が交流を深め,苦楽を共に享受しようとする仲間意識を培うと共に,島根大学教育学部生としての自覚を高める。

実施日: 平成22年4月17日(土)~4月18日(日)
会場: 島根県立青少年の家「サン・レイク」 【出雲市小境町1991-2 ℡(0853)69-1316】
参加者:

島根大学教育学部1年生176名,学生スタッフ35名,教職員11名,合計222名

【日程】

【開講式】

開講式では,まず伊藤学部長の挨拶を聞きました。続いて,入門期セミナーⅠのねらいについての説明と2日間お世話になる先生方や学生スタッフの紹介をしました。

 

研修1 1000時間体験学修における教育体験の意義について

1000時間体験学修における教育体験の意義をはじめ,「基礎体験領域」「学校教育体験領域」「臨床カウンセリング体験領域」についてのくわしい説明を,担当の先生方よりしていただきました。また,「環境寺子屋」の説明や活動内容の紹介もしていただきました。

 

研修2  【大学生活と基礎体験活動について ~先輩に学ぶ~】

基礎体験活動の実際を,学生スタッフが劇や小グループのディスカッションで分かりやすく説明しました。また,劇では事前指導・事後指導の大切さや,子ども とふれあうことの喜びを楽しく伝えました。さらに,ディスカッションでは,1000時間体験学修や大学生活全般についての疑問や心配事に対し,自分自身の 経験をもとにして分かりやすく答えていました。これらの活動を通し,1年生は今後の大学生活の見通しがもてたようでした。

 

研修3 【基礎体験学修の出会いの場の演出と仲間づくりについて】

学生スタッフのリードにより,さまざまなレクリエーションやゲームをしました。90分間があっという間に過ぎると共に,これまでの緊張がほぐれ1年生同士の仲間意識が強く感じられるようになりました。

 

研修4 【大学生としての一般常識とマナー】

基礎体験活動に参加する上で必要な一般常識と社会人としてのマナーを,演習を通して実践的に学びました。特に,受け入れ先への電話のかけ方やメールの打ち方など,初めて知ることも多くとても参考になったようです。

 

研修5 【選択体験活動】

宍道湖での湖面活動,施設周辺の散策活動,施設を利用したニュースポーツなど,さまざまな体験活動を班で選択して行いました。自然の中での体験を通してさわやかな汗をかくとともに,班の仲間とのコミュニケーションも深めることができました。

 

研修6  【基礎体験活動記録票の記入及び臨床カウンセリングアンケート】

①基礎体験活動記録票の記入
基礎体験活動記録票の記入について説明を受けました。また,このセミナー全体を振り返り,セミナーで得た学びや今後の体験学修における自己課題などを記録票に書きました。

 

②臨床カウンセリングアンケート
2年生から履修する「臨床カウンセリング体験領域」にむけての事前アンケートを行いました。多くの設問に答えることにより,授業への関心の高まりが感じられました。 

 

【活動説明会】

基礎体験活動でたくさんの活動の場を提供してくださる鳥取県と島根県の社会教育施設の方から,それぞれの活動内容の説明や活動を通して身に付く力等について話をしていただきました。

【閉講式】

境センター長より,入門期セミナーⅠでの学びを今後の学修や大学生活に生かし,4年間で確かな教師力を身につけていくことについての話がありました。ま た,1年生代表よりお世話になった学生スタッフや先生方に感謝の言葉が述べられ,学生スタッフからも応援メッセージが伝えられました。

 

<一年生の感想>
○入門期セミナー以前は,他のメンバーとも今ひとつ打ち解けあえずにいた が,いろいろな班活動を通して,仲間意識を持つことが出来た。サバニでは「協力」とは何かを学んだ。協力とは仲間を信じることであり,心を一つにすること だと思った。同じ目標に向かって協力することはサバニだけではなく,教師という夢をかなえるためにも必要なものだと感じた。私は,これからこの仲間ととも に成長し,学んでいくことを考えるととてもワクワクする。

○先輩や先生方の話はどれも大切で勉強になりましたが,セミナーでの一番の収穫は, やはり同じ夢をもつたくさんの人と交流を深めたり話したりしたことです。2日間でこれまで話をしたことのない人とも仲良くなれたし,同じグループでの活動 がすごく楽しくて,とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。自分から動けば何かが変わるということが分かったので,もっともっと積極的に行動して, たくさん努力できる自分になりたいです。

○先輩方がとてもやさしく指導してくださり,分からないこともすぐに解決でき,行動 しやすかったです。また,基礎体験活動をテーマにした劇では,パンフレット等を見ただけでは分からないことを実際の感想なども交えて分かりやすく説明して もらい,私たち新入生がこれから始めていく1000時間体験学修を応援していただいていることを実感しました。自分も早く体験活動を行い,先輩方のように なりたいと思いました。

○先輩方は,私たちと年齢がわずかしか違わないのにすごくしっかりとしておられまし た。人をまとめる力があり,行動力があり本当に手本になる先輩だと思うと同時に,私もそうならなければならないと強く感じました。1000時間体験学修に ついて学び,座学だけでは人は成長することはできず,実際に社会の中で学んだことを生かしていかなければ成長や進歩は生まれないと強く思いました。

<学生スタッフの感想>
○今回私が最も成長を感じたのは,学生スタッフとの人間関係力のような 気がします。1000時間体験学修の魅力を伝えるために,「このままの内容ではいけない」と厳しくみんなに言いましたが,その思いがみんなに伝わり,本番 に向けて協力し合えたことはとても大きかったです。もちろん,本番も完璧ではありませんでしたが,自分達の思いは伝わったように思いました。しかし,状況 判断力がまだまだ自分には不足していると思ったので,目標としてこれからも頑張りたいです。
(3年生男子)

○今まで企画を行なう活動に参加したことがなかったので不安な気持ちもありました が,今回エンターテイメント班で活動していく中で自分の考えを言ったり,友だちの考えを受け入れたりしながら企画を完成させることができ,嬉しさや楽しさ や充実感を感じることができました。新入生が基礎体験活動について興味を持ってくれたと分かった時は本当に嬉しかったし,やってよかったと思いました。企 画力や指導力を身につける活動の経験が少ないので,これからはそのような活動に積極的に参加していきたいです。自分自身の基礎体験活動を見直す良い機会に なりました。
(2年生女子)

○グループリーダーとしてではなく統括スタッフとして参加した入門期セミナーⅠだったの で,昨年とはまた違った雰囲気での活動となりました。統括スタッフとして,周りの状況を把握しながら,臨機応変な対応をとる必要があり,これまで体験して きたどの活動よりも周囲に気を配ることの出来た活動になりました。また,多くの学生スタッフの考えをまとめることにより,調整力が身に付いたと思います。 (3年生男子)   

入門期セミナーⅠは,2,3年生の学生参画の研修として位置づけ実施しています。研修2,3,4や朝の集いを学生企画とし,セミナーの進行や新入生 への指示などの運営の大部分も学生主体としました。今年度は,6名の総括スタッフを中心に,35名の学生スタッフが参加し,2月の中旬より多大な時間と労 力を費やしながらセミナーの企画や準備を行い,新入生目線に立った有意義なセミナーを実施することが出来ました。

新入生の感想を見ると,4年間の大学生活の見通しが持てたと同時に,自分もこんな先輩に早くなりたいと思った者も多くいました。学生スタッフの感想には,自分自身の変容や成長を感じたなど,基礎体験活動の成果を強く実感している内容が多くありました。

学生参画による入門期セミナーⅠは,新入生にとっても,2・3年生にとっても学び多い貴重な体験の場となっており,今後も充実した活動にしていきたいと思います。