充実期セミナー(2年生対象の基礎体験活動の振り返り)

 実施日時:
平成20年9月29日(月) 13:00~14:30
 会 場:
教育学部棟 20番教室
 参加対象:
教育学部 2年生
9月29日(月)に2年生を対象とした充実期セミナーが開催されました。これまで取り組んできた基礎体験活動の活動時間を確認すると共に,自分自身の体験活動を振り返りました。また,学生代表による体験発表を聞き,基礎体験活動を通しての学びを共有しました。 体験を通しての学びや自己の変容を確認し,自己分析をもとに新たな目標を設定することが大きなねらいでした。

 

(1)基礎体験活動の時間確認

まず,各自が個人の活動記録票をもとに今年度の基礎体験活動の活動時間の確認を行いました。その後,教育支援センター専任教員から2年生の体験活動の現状や活動記録票の提出,時間認定などについての再確認と説明を受けました。また,後期から実施される「教育支援センター・オフィスアワー」についての説明も受けました。学生は,基礎体験に関わる様々な説明を聞くと同時に,自分の活動時間集計表を見ながら今後の体験活動についての見通しをもちました。

(2)体験発表 ―基礎体験領域のおけるこれまでの取り組み―

体験発表として3名の学生が,これまでの基礎体験活動の取り組みと,それらの活動から学んだことについて発表しました。発表者の思いに共感し,大きくうなずきながら聞いている学生も多々見受けられました。また,発表者と自分自身の取り組みを比較しながら,今後の活動への意欲を高めました。 

 


≪発表者1≫人間生活環境教育専攻(家政教育コース)
「サタデースクール及び三瓶青少年交流の家での
                          活動を通して」
三瓶青少年交流の家での活動に参加し,活動を支援してくださる先輩方の姿を見て「人の気持ちに気づいて行動できる人になりたい」「強いリーダーシップが取れる人になりたい」と思うようになった。この活動をきっかけに三瓶での活動に参加するようになり,今年はさんべ夢ステージのリーダーのひとりとして積極的に活動している。サタデースクールでは,授業の進め方など分からないことが多く戸惑ったが,先輩からのアドバイスを支えに今では一人でクラスを担当している。何事も初めは不安であるが,実際に活動することにより様々なことが出来るようになるし,子ども達の笑顔を見るととてもうれしくてもっと頑張ろうという気持ちになる。活動全体を振り返ると,子ども理解、学校理解をはじめ様々な力がつき,大きな学びになっていると思う。しかし,主専攻である家庭科の力を伸ばす活動をしていないことに気づいたので,今後は専門性を高める活動にも取り組んでいきたいと思う。


≪発表者2≫言語教育専攻(英語教育コース)
「ウィークエンドスクール及び町立図書館での活動を通して」
ウィークエンドスクールでは,勉強以外にも学校や遊びのことを話すなど,生徒との関わりがたくさん持てた。生徒が「中間テストでは40点も伸びたよ!」と笑顔で言ってきた時は,私もとても嬉しくて,生徒と一緒に喜びを共有できた気がした。町立図書館では,初日に活動と場にふさわしくない服装で参加してしまい,3人の方からお叱りを受けた。翌日以降は場に適した服装で行ったが,あらかじめ体験先の仕事内容等を考えて行動しなければならないと思った。私は当初,体験学修を強制的にさせられているように感じていたが,今では目の前の子どもたちに何ができるだろうと自分から考え行動できるようになった。また,これらの活動を通して,子どもが好きだということを実感したし,私たち大学生も社会の一員であることを痛感した。このことは将来教師を目指す自分にとってとても重要なことなので,これからも大切にしていきたい。


≪発表者3≫自然環境教育専攻 「社会教育施設での体験から専攻別での体験へ」
初めて基礎体験活動に参加した時,子どもの現状が分からないと強く感じた。もっと知りたいと思い,キャンプ等の子どもとふれ合う機会の多い活動に進んで参加した。体験活動を通して子ども達の現状が少しずつ分かってきたが,悪い行動を見ても注意できなかったり,何でこんな事も出来ないのだろうと批判的な見方をしたりしてしまい,自分の未熟さを感じた。2年生では,「自分自身の成長」を目標とし,専攻を生かした理科的な活動を中心に活動した。ここでも批判的な見方をしてしまったが,指導者としての意識を持って接するように心がけて支援した。子ども達の発想は様々でとても面白いし,子ども達なりの理論をしっかりともっていることも分かった。また,子ども達は声かけ一つで変わっていくが,それぞれの捉え方が違うので声かけの仕方も変えていかなければならないと思った。子どもからの質問に対し分かりやすく教えられなくてとても悔しく思うこともあり,専門的な知識を身につけるために日頃の授業をもっと真剣に受けようとも思った。このように1000時間体験学修での活動を通し,内面的に変わっていけることを実感している。


(3)自己分析と自己評価 「6つの資質・能力についての考察」

自己分析カードをもとに,各自で自分自身の体験活動の分析をしました。自己分析カードでは、3つのフィールド(子ども・地域・学校)の体験時間数と割合,6つの資質・能力(子ども理解・人間関係力・社会の一員としての自覚・企画力・指導力・学校理解)の高まりに視点をおき分析しました。自分自身の活動時間と学年の平均時間を実際に照らし合わせることにより,自分なりの成果と課題が明確になり,今後の活動の目標がしっかりともてました。

≪自己分析カードより≫
○自分がこんなに自信や熱意をもって活動に参加できるとは思っていなかった。こんなに積極的に人と関わったりコミュニケーションをとったりできるのは体験学修のおかげである。 
○体験を通して自己の成長に気づき,自己肯定感を高めることができた。
○大変そうだからという理由で企画を含む活動を避けてきたが,自分が一番取り組まなければならない活動である事に気づいた。
○「子どもと関わってなんぼだ!」と思って子どもと関わる活動をがむしゃらにやってきたが,将来教師を目指すならそれだけでは足りないということに気付かされた。
○自分の長所を生かしたり,短所を克服したりすることができる活動を選択しようとする意識をもつことができた。
○子どもとの関わりで一番難しいと思うことは叱ることだ。少しは叱れるようになったが今後の大きな課題である。
○活動に偏りがあることに気づき,3年生の教育実習前に学校での活動を積極的に行うという意識をもつことができた。
○教員としての資質(専門性・子ども理解など)を向上させていくことの必要性に気づけた。
○様々な立場の人と関わりの中で自分自身を成長させると同時に,相手も成長させるような行動ができるようになりたい。

(4)まとめ

今回の充実期セミナーは,2年生の代表者3名による体験発表を聞き自分自身の活動状況を自己分析することで,今後の基礎体験活動に対する見通しをもつことにつながったと思われます。基礎体験活動にあまり参加できていない学生にとっても,代表者の発表はそれぞれに共感できる部分がたくさんあり,基礎体験活動に対する意識改革につながったようでした。こうした振り返りを行うことは,学生自身が自己の変容や成長を自覚すると共に,課題を明確にするための良い機会になっているので,今後も計画的に行っていきたいと思います。