充実期セミナー(2年生対象の基礎体験活動の振り返り)

2年生を対象とした基礎体験活動(学外体験活動)の今年度のまとめと振り返り(省察)のセミナーを開催しました。今回のセミナーでは,次の2つのねらいのもとに行いました。

ねらい:

1・前期の充実期セミナーを踏まえて、その後取り組んできた基礎体験活動を振り返る。
2・パネルディスカッションを通して,これからの教師に求められる資質・能力と基礎体験領域の意義について確認し,今後の課題を明らかにする。

 
実施日:
平成20年2月13日(水)13:00~15:00
場所:
教養棟2号館 504教室
参加者:
2年生全員
内 容

(1) 体験時間の確認,集計

まず,各自が個人の活動記録票をもとに今年度の基礎体験活動の活動時間の確認を行いました。その後,教育支援センター専任教員から,2年生の基礎体験の現状や活動記録票の提出,活動への登録手続き,時間認定などについての再確認と説明を受けました。
学生は,それぞれに個人の活動時間の集計表を見ながら体験活動についての自己分析を行っていました。

(2) パネルディスカッション 「基礎体験領域での学び」
~基礎体験活動とこれからの教師に求められる資質・能力~
討論者 代表学生 4名(3年生の代表学生) 教育支援センター教員

これからの教師に求められる資質・能力と学外における基礎体験活動が果たす役割,また,基礎体験活動での学生の学びという2つの視点からパネルディスカッションを行いました。3年生をパネリストに迎え,特に3年生での体験活動の様子と学びについて発表をしてもらいました。4名のパネリストの学生は,基礎体験活動に対するとらえ方が入学してから2年間前向きに捉えることができなかったが,セメスター(3年後期)での体験を通して自分の進路に対する見通しがもてたこと,専攻での日々の学習において不足している部分に気づいたこと,自分がどの校種の教員になりたいかが明確になったことなど,様々な視点から体験をもとに学んだことを発表しました。
その発表を聞いた2年生の学生からは,基礎体験活動に対するとらえ方や意欲の変容に対する感想などが多数ありました。

(3)まとめ
今回の充実期セミナーは,1学年上の3年生によるパネルディスカッションを聞くことで,今後の基礎体験活動に対する見通しを持つことにつながったと思われます。また,基礎体験活動に消極的な学生にとってもパネリストの学生の発表は共感できる部分がたくさんあったようで,基礎体験活動に対する意識改革につながった学生も多数いました。
こうした振り返りを行うことで,学生自身が自己の変容や成長を自覚すると共に,課題を明確にする機会になっていると思いました。
参加した学生からは,以下のような感想を含めて,セミナーでの振り返りに対する意欲的な意見をたくさん聞くことができました。

・3年生のセメスターに対する見通しがもてた。
・自分自身の学外体験(基礎体験活動)に対する意識が変わった。
・先輩の話を聞いて,自分も頑張ろうという気持ちになった。
・基礎体験活動が,教師になるために必要な資質能力を高めるためのものだけではなく,人として成長するための活動であることを再認識した。

(4)学生の感想から
初等教育専攻
今日の先輩の話を聞いて,新たに基礎体験活動に対する意識を前向きにさせてもらえたような気がします。自分の弱いところ苦手なところというのはたくさんあるけれど,何もないところでそれを克服しようと頑張っても不可能に近いと思います。体験の中で様々な失敗をして苦しんで悩んで自分の弱いところを見つめる機会があってこそ,そこで何とか対処したことが自信につながるのだと思いました。できれば教師になるための自信をめきめきとつけたいですが,もしかしたらいろいろな体験をする中で,自分の将来の方向性を変えるようなことになるかもしれません。しかしながら真剣に将来を考えていく上で体験を通して学ぶことがとても重要なことに思います。
心理・臨床専攻

パネルディスカッションと聞くと,すごく基礎体験に積極的で何時間も活動された方なのだろうと思っていましたが,消極的なところから活動された方のお話を聞いて,自分なりに頑張ろうと思いました。大学で学ぶ知識も大切だし実際に学外で体験することも大切だと思います。知識があるからこそ体験が豊かになり,体験があるからこそ知識が自分のものとして吸収できるのではないでしょうか。今回話された方々は,自分がした体験をとてもていねいに振り返って考えて,自分の中に吸収されているんだなと思います。私も体験をした数ではなく,その体験からどれだけのことを学びとれたかという量より質のような気持ちで取り組みたいです。

音楽教育専攻
今日私が一番感じたのは,今の自分は頭でっかちの状態なんだなということです。2年間教育に関する様々なことを学んできましたが,それを現場で生かせるかどうかと聞かれたら,私は何も生かせないような気がします。どんなに知識を詰め込んだところで実際とは全く異なる状況がたくさんあるだろうなと先輩方の話を聞いて思いました。子どもの行動全てがマニュアル化できるわけではないので,子どもとの関係を学んで行くにはやはり実際にかかわることでたくさん失敗するのがいいんだなと思いました。また,私は音楽研究室にいるのだなということを強く感じました。
今,私はただピアノが上手になりたいと思って練習にたくさんの時間を使っているけれど,上手になるだけじゃなくて上手になった上での目標が,子どもに音楽を教えることだと気づきました。
どれだけ技術を磨いてもそれが人に伝わらなければ意味がないんだなと思いました。教育をするためには,知識と経験どちらも欠かせないものなんだと思いました。