第3回だんだん塾講演会

 最近,学校現場ではコミュニケーション能力の育成が重要視されています。しかしながら近い将来,学校現場に立つ学生の中にも,表現力が乏しく,自分自身の思いや考えをどのように相手に伝えていったらよいのか不安に思っている人が少なからずいるのが現状です。

 そこで,今回の第3回だんだん塾では,話し手のプロでもあるフリーアナウンサーの方をお招きし,自分の思いをどのようにして相手に伝えたらよいのか,多様な視点からご講演いただきました。

 

実施日:

平成25年1月30日 12:45~14:15

場所:
教育学部研修室(212)
参加者:
教育学部学生34名(1~4年生)

 

演題「伝える,伝わる話し方」

講師 河野 美知さん(フリーアナウンサー)

 

教員採用試験や企業での採用試験では,ほとんどの場合面接試験が実施されます。また,教員を志望している学生にとっては,教育実習や学校現場で,子ども・保護者・地域の方・教職員など様々な方に自分の思いや考えを伝え,コミュニケーションをとらなくてはなりません。相手に自分の思いや考えをどのように伝えたらよいのか,今回の講演会では,「伝える,伝わる話し方」というテーマで講演をしていただきました。河野さんから教わったテクニックや心がけについて,いくつか紹介します。

◆人が他人から受け取る情報(第一印象)で,「人は見た目が9割」だと言われることもある。顔の表情が55%,耳からの情報が38%で話す内容については7%である。「ノンバーバル・コミュニケーション(非言語コミュニケーション)」が大切である。

◆声を出す練習を日頃から行うこと。(腹式呼吸,滑舌をよくする,明朗に,リズミカルに)

◆コミュニケーション力とは共感力である。相手の気持ちを引きだすためには,まずは“質問”上手になること。そして目線を合わせてリアクションすることが大切である。

◆リアクションをするうえで,「同感(そうですね,なるほど)」,「共感(それは大変でしたね)」「促進(それで,それから)」,「整理(つまり,こういうことだよね)」,「驚き(エー,すごい)」を意識すると聞き上手になれ,言葉のキャッチボールができる。

◆様々な出来事が起こった場合,自分自身の受け取り方で結果が変わってくる。また,自分を肯定することが大切で,そうすることによって他人を批判しなくなる。

 

  河野さんは現在フリーアナウンサーとして山陰を中心にイベントの司会やボイストレーニング講師として活躍されています。講演の後半に,話を聞き出す訓練「インタビュー」を参加者がペアをつくり行ってみました。表情やリアクション等を意識しながら,和やかな雰囲気で会話が進んでいて,講演で学んだことをさっそく活かすことができました。

  

 

 

・河野さんの話し方は,すごく印象が良く,とても素敵な人だなと感じました。話し方や印象の与え方について様々なポイントがありましたが,私はやはり,その人からにじみ出てくるもの,雰囲気,その人らしさが何より一番大切だと思います。だから今日知った様々なポイントを自分を装うためではなく,内面を変えていくポイントとして実践していきたいと思います。まずは,演じる(装う)ところから,そしていつか本当に内面から素敵な人になれたらいいなと思いました。ポジティブで元気で健康的な人になりたいと私も思いました。   (人間生活環境教育 3年)

 

・以前から,この伝える,伝わる話し方というのは興味をもっていて参加したいと思っていました。今回の講演で一番印象に残った箇所は,河野さんの「間の取り方」です。河野さんは自分たちに講演を行って下さっている最中,随所に「間」を入れ相手を見て顔で会話をされていました。自分が感じたのはその「間」が別に不快を感じるものではなく,むしろ好感がもてる「間」だったことです。伝える,伝わる話し方をさっそく実践してみようと思います。 (言語教育 2年)

 

・教員採用試験を控えた私にとって,面接での態度や必要とされる人間性について考える,とても大きなきっかけとなった講演会でした。「ノンバーバル・コミュニケーション」の大切さについて改めて気づくことができ,今までよく使っていた言葉である「コミュニケーション力」というものが,より具体的になりました。また,今回の講演で,河野さんの語りかける姿が,私の目指す「話す姿」となり,教壇に立って話すことが楽しみになりました。  (初等教育開発 3年)

 

・人とコミュニケーションをとるうえで,目で話す・聞くことの大切さについては,今までずっと教えられてきたことであり分かっていましたが,相手を引きだす力「共感力」ということは初めて意識しました。面接において話す内容よりも,その喋り方で人そのものを評価していることも多いと聞いて驚きました。また,人に何かを伝える時にまんべんなく見渡すより,1対1として一人ずつ話しかけるように意識する(3秒ずつロックオン)ということを実習前に知っておきたかったなと思いましたが,今後の面接や実習Ⅵなどで活かしていきたいと思います。(数理基礎教育 3年) 

 

 

 

  学生たちは真剣なまなざしで聴きいっていました。河野さんには,自分の思いをどのようにして相手に伝えるのか具体的に話をしていただき,この講演会で学んだことを今後の大学生活や卒業後の社会生活で活かしてほしいと思います。