第2回だんだん塾講演会
【特別支援教育 講演会】
実施日:
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平成24年12月5日 14:30~16:00 |
場所:
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教育学部棟多目的ホール(517) |
参加者:
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教育学部学生51名(1~4年生) 教職員5名 |
講師: | 梅田 英樹 氏(松江市発達・教育相談支援センター指導主事) |
最近の学校現場において,特別支援教育への理解のニーズが非常に高まっています。本学部の学生においても,基礎体験活動などで特別に支援を必要とする子どもたちと関わる中で,どのように対応したらよいのか分からなくて困ってしまった経験が多く報告されます。
そこで,第2回のだんだん塾では,昨年度に引き続き,実際に現場で特別支援教育に携わって来られた梅田先生を講師にお迎えし,具体的な事例を通して,特別支援教育の実際を学びました。
演題: 「知ること・理解しようとすること,敬意をもつこと・まねようとすること」 講演の概要と様子: 講師の梅田先生ご自身が,新任当初に担任された特別支援学級(当時は特殊学級)の子どもたちとの生活などの様子から感じたこと,考えたこと,実際の有り様をもとにお話いただきました。(下部写真は講師の梅田先生) ・その子どもたちのことを「知ること」で,自ら関わり方についての不安がなくなり,行動することができる。そして,何かできないことはないかと考える。 ・熱心にかかわればかかわるほど,分からないことが出てくる。しかし,だからこそ「理解しようとする」姿勢をもちたい。 ・「敬意をもって」,子どもたちとその家族に向き合うことが大切である。障がいに向き合い,一生懸命生きていこうとする本人とその家族の取り組みに敬意をもたざるを得ないし,それゆえに寄り添うことができる。 ・まずは経験者や他の先生方の「まねようとしてみる」ことで,得られることがある。私の場合,一緒に勤務していたベテランの先生の“ゴッドハンド”を手に入れたくて必至にまねをする中で,次第にかかわり方について理解するようになった。
そして,特別支援教育の概念の変遷や法律の改正の変遷,現在の障がい種と特別支援学校・特別支援学級について解説していただきました。いずれも,先生ご自身の経験をもとに,具体的に子どもの姿を通してのお話で,学生に取ってイメージをもちやすく,分かりやすいものでした。
その後,特に見えない障がいである自閉症について,テレビ番組の映像も紹介していただき,先生ご自身の解説も加えて,その子どもの姿や保護者の様子などについて知ることができました。
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○聴講した学生たちは,各自でふりかえりを行っています。そのごく一部を紹介します。
私はアルバイト先がデイサービスを行っているところで,障がいのある子どもたちがいます。その子たちと接することは慣れないことだったので不安でいっぱいの気持ちになりました。でも,それで終わってはいけないと感じています。理解しようとする姿勢,また努力することは教員として必要な資質能力であると思います。その中で「敬意をもつこと」は大変重要な能力だと思います。 今回の講演会で「あれはそういうことだったのか」と納得を数多くすることができました。また,「まねをすること」で自分なりの方法も見つけつつあります。今後の活動,さらには日常生活において活かしていきたいと思います。 |
私は高校生の時から特別支援教育に関わる仕事に就きたいと考えており,障がいのある子どもたちとふれ合うボランティア活動や行事によく参加していました。そこで,障がいについては理解のある方だと自分で勝手に思っていましたが,今回の講演会で,もし自分が一人でいる時に障がいのある人と接することになったら,もし自分の子どもに障がいがあると分かったら,本当に自分は理解があるから大丈夫,と思えるのかどうか考えさえられました。 講演会で見たVTRの,一生懸命生きている子どもとその家族の姿に感動しました。障がいときちんと向き合い,それを支えておられた家族の姿を見て,自分の理解なんてまだまだ他人事なのではないかと思えてきました。もし,自分が教師になり,障がいのある子どもと関わるようになった時,子どもに対してはもちろん,保護者の方にも敬意をもつことのできる教師になりたいです。一緒に子どもの幸せを本気で考えてあげられるようになりたいです。 |
以上のように,聴講後にそれぞれの経験をふりかえりながら,特別支援教育の必要性やそのあり方について,自分の実践レベルにおいて考えることができました。
講師の梅田先生には,公務ご多用の中,学生たちに向き合い,熱心にお話いただきました。ご自身の経験をもとにされた障がいのある子どもたちやそのご家族と向き合う教育のあり方・姿勢についてのお話は,具体的で分かりやすく,とても参考になりました。時間の経つのを忘れ,もう少しお話を聞きたいと思いました。
このお話を活かし,あらゆる場で子どもたちとのよりよいかかわりに努めていくことができると期待しています。