第3回だんだん塾講演会

実施日:
平成22年12月15日(水)
場所:
教育学部棟多目的ホール
参加者:
60名(1~4年生)
講師: 飯塚 大幸 氏(一畑薬師管長)
講演会の概要 :

 第3回だんだん塾の講演会は、「先行きのなかなか見えにくい、これからの時代を生きるために、必要な人間力を身につけるにはどのようにしたらよいのか」という、心の在り方に関連したテーマを設定しました。講師は、一昨年度まで本学部の外部評価委員をお務めいただいた、一畑薬師管長の飯塚大幸 氏です。人間力とは、これからの社会を生き抜くために必要な力であり、教師力の基礎力とも考えることができます。学生はこの講演会への参加により、人間力を身につける方法のヒントを得ることができました。 

 また、今回のだんだん塾の講演会は、臨床カウンセリング体験領域の特別講義と兼ねて行い、60名余りの多数の参加者がありました。

講演内容

演題: 「これからの時代を生きるための人間力とは」
     ~ブッダの教えに学ぶ~

 欧米では、仏教とりわけ禅(ZEN)が、けっして派手ではありませんが静かに受け入れられています。また、その中でブッダの教えを、自らの生きる指針とする人は多いそうです。自己の内なる生命力を見つめ、そこに問題意識を持たなければ、本当の解決や安心はけっしてつかむことが出来ないのではないか。そのようなお話を、ご自身の修行時代や留学体験を振り返り、お話しいただきました。

―学生の感想-
 最初は仏法的なお話をされるのか、難しそうだなと感じていましたが、お話を聞いていくうちに、人間に共通する非常に根本的な考え方があると感じ、とても面白いなと思いました。「身口意の三業をととのえる」という考え方は、行い、言葉、心と本当に基本的なことだけれども、それら一つひとつをしっかりと実践していくことが、人間力の育成につながっていくと思います。また、人生は苦であるという考え方はなるほどと感じました。全ての苦しみを取り除くことが、果たして子どもにとっての本当の幸せと言えるのかということにすごく考えさせられました。現代では子ども達に対して、ある意味過保護な世の中になっているので、そんな中で私は何を子ども達に伝えていくのか考えていこうと思いました。
 飯塚先生のお話は、仏教の素晴らしいエッセンスを吸収する良いきっかけになりました。また、飯塚先生のインドでの体験のお話もとても興味深かったです。貧富の差、文化の差、西欧中心主義に染まっていない世界観に触れるためには、現地を訪れるのが一番よいのだなと改めて思いました。私は専攻が共生社会であり、倫理の授業等でよく考えるような内容の講義だったので、より興味深く聞くことができました。
 今日の講演を聞いて、心の最も根本の部分を正されるような気持ちになりました。話しをされている飯塚先生自身もとても動きがきれいで、立っておられる姿勢など、見える部分でも多く見習うところがありました。私が心に残った話しは、「形が大切」、「有り難う」、「心は表に現れる」、「思い通りにしようとしすぎるから苦しむ」、「縁」の5つでした。私の今までの経験と照らし合わせ、本当にさまざまなことを反省させられ、ありがたいと思いました。これからも「挨拶」や「有り難う」は大切にしていきたいと思います。