令和5年度 第22回 教育学部・教育学研究科アカデミックカフェを開催しました

公開日 2023年08月04日

「第22回 教育学部・教育学研究科アカデミックカフェ」を開催しました。

 

1.発表者      久保研二准教授

2.日 時       令和5年7月26日(水)17:00~18:00

3.会 場      212研修室(対面)

4.題 目      体育のLesson Studyの国際的展開,その意義と課題

5.出席人数  20名

 

 今回は,体育科教育がご専門の久保研二先生にご発表いただき,Lesson Studyにおける「リフレクション」の重要性と体育科授業におけるLesson Studyの有効性,さらに異文化での取り組みの貴重さについて学びました。

 まず,Lesson Studyの意味と意義について詳しく解説されました。Lesson Studyは教師が共同で授業を研究・改善していく手法であり,教師の専門性向上と生徒の学習効果向上に寄与します。特にLesson Studyにおいて,教師たちが研究し改善していく際に欠かせない要素が「リフレクション」です。自らの授業を振り返り,改善点を明確にすることで,より効果的な教育実践が可能となります。このリフレクションは,すべての教員が身に付けるべき重要な能力であるとの指摘がありました。

 次に,体育科授業がLesson Studyの手法習得に適している理由についてお話しされました。その一つとして,体育科授業は生徒たちの動く様子を遠くから観察することが多いため,授業の観察がしやすく,子どもの様子の共有が効果的に行われる点を挙げられました。

 最後に,2022年度のエディンバラ大学でのサバティカル研修についてお話しされました。体育科授業を担当し,講義・演習・ディスカッションを通してLesson Studyを大学生に伝えた実践とともに,生活面でのご苦労にも話が及びました。異文化の中での挑戦はさまざまな困難を伴い,さらにコロナ禍によって不測の事態も続発したとのことでしたが,それらを乗り越えて研修を遂行されたご経験は,聴講者にとって貴重な学びとなりました。

 

 今回のご発表は,科研費の成果として国際誌に掲載された論文や今後ご発表予定の最新のデータが含まれていて,研究費獲得や論文執筆に対する聴講者のモチベーション向上にもつながったのではないかと期待されます。