平成26年度 第7回FD研修会を開催しました。

     平成26年度 教育学部 第7回FD研修会を開催しました。

     日 時 : 平成26年11月26日(水)15:45~16:50
     場 所 : 教育学部棟 212研修室
     題 目 : 教員養成学部の社会連携──環境寺子屋と音楽教育連携推進室の取り組み──
     出席人数: 35名

     今回のFD研修会は、文部科学省と文化庁から特別経費プロジェクトとして補助を受け、地域の諸機関や教員と連携して様々な活動を行っている二つの取り組み──環境寺子屋と音楽教育連携推進室──について、その内容や教員の関わり方を報告していただき、意見交換を行いました。
     まず最初に、「環境寺子屋の足跡──成果と課題──」と題し、松本一郎教授が報告いたしました。「環境寺子屋」とは、環境・理科教育推進室が実践している教育プログラムの愛称です。従来より子供たちの「理科離れ」が問題視されていますが、この問題への取り組みとして、「理科好き」で、理科教育力が高く、環境リテラシーを備えた教師を育成するとともに、この教師育成プログラムのなかに、地域の子供たち、学校教師、そして、地域社会をも取り込み、総合的な教育実践力を具えた理科教師の育成を目指すのが「環境寺子屋」プロジェクトです。
     今回の研修会では、こうした環境寺子屋プロジェクト立ち上げの経緯から、その趣旨、実践内容、成果、そして、今後の課題などが報告されました。当初は、理科好きで、理科教育力の高い教師の育成を主眼としていたこのプログラムは、スタートから7年経って、ますます大きく発展してきており、近年では、教師育成のみならず、地域の子供たちの教育・育成、地域の学校教師の研修、地域の自然教育施設とのコラボレーション、そして、海外の自然教育機関との連携にまで発展してきているとのことでした。
     続いては、「音楽教育連携推進室設立の経緯と活動内容について」と題し、河添達也教授および福間志保特任助教が報告しました。「音楽教育連携推進室」とは、山陰地方に息づく豊かな音楽文化資源を活用し、新たな音楽教育の内容や方法を構築することを目的として、平成25年度からスタートした音楽科教員養成プロジェクトを担う部局です。
     山陰地方には古来から続く音楽文化の伝統があります。島根県には佐陀神能、石見神楽、安来節などがあり、学校における合唱、吹奏楽活動も盛んです。また、鳥取県は、「ふるさと」などの唱歌を作曲した岡野貞一の出身県で、「童謡・唱歌のふるさと」として地域おこしを展開しています。しかし同時に、山陰地方は人口減少や少子高齢化が著しく、こうした伝統的な音楽文化を継承することが困難になってきています。そうした状況の中で、音楽科教員養成には、地域の音楽文化資源についての豊富な知識を持ち、それを継承していける人材の育成が求められており、「音楽教育連携推進室」は、こうしたミッションを引き受け、このミッションを組み込んだ音楽科教員養成プログラムの開発に取り組んでいるのです。
     今回の研修会では、河添教授から「音楽教育連携推進室」立ち上げの背景と経緯、プロジェクトの趣旨、活動内容、成果、抱負などが報告され、福間特任助教から学生主体のアウトリーチ活動の具体的な報告がなされました。「音楽教育連携推進室」の活動も、質の高い音楽科教員養成を主眼としつつ、地域の子供たちの音楽教育にも取り組み、さらには、著名な音楽家・芸術家や団体とのコラボレーションを通して、地域の音楽文化の継承と発展に貢献しており、大変高い評価を得ているとのことでした。