入門期セミナー2017

 本セミナーは,次の2点をねらいとして,入学早々の教育学部新1年生134人に必修で行う宿泊研修です。今年度は,平成29年4月15日(土)~4月16日(日)に島根県出雲市にある島根県立青少年の家で行いました。

ねらい:

 

①教育体験活動「1000時間体験学修」の全体像を把握し,大学生活4年間の教育体験活動に

対する見通しを持つ。

②これからの大学生活を共にする学生同士が交流を深め,円滑な人間関係を築くきっかけに

すると共に,島根大学教育学部生としての自覚を高める。

 本セミナーの特徴は,ピア・サポート制度を活用し,先輩である上級生によって研修内容の大半が企画・運営されている点にあります。今年度は,11名の総括・統括スタッフを中心に,31名の上級生が学生スタッフとして参加しました。研修2~6を学生企画として担当し,新入生の目線に立った有意義なセミナーを実施することができました。
本年度の活動の様子を紹介します。

  

【日程】

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【開講式】

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開講式では,小川教育学部長から,これから宿泊研修を行う新1年生に対して激励の挨拶がありました。そして,本セミナーのねらいについての説明と学生スタッフの紹介をしました。

 

研修1 1000時間体験学修における教育体験の意義について

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1000時間体験学修の意義について,学部教員による講義を行いました。新入生は,これから臨む1000時間体験学修についての全体像を把握しようと,熱心に聞いていました。

 

研修2  基礎体験活動の進め方

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基礎体験活動の流れや魅力を,学生スタッフの体験をもとにした劇や解説を通して学びました。
新入生は,活動の登録の仕方や事前・事後指導のあり方,子どもとふれあうことから得る学び等を楽しく分かりやすく理解することができました。

 

研修3 出会いの場の演出と仲間づくり

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学生スタッフのリードにより,様々なレクリエーションをしました。活動する中で,緊張が少しずつほぐれ,笑顔も多く見られました。またゲームを通して自然に協力し合うこともできるようになり,1年生同士の,特に班の仲間との円滑な交友関係を築くことができました。

 

研修4 大学生としての一般常識とマナー

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基礎体験活動に臨むにあたって,社会人として必要な一般常識とマナーについて,学生スタッフの劇やクイズを通してグループ別に協議を行いながら学びました。

 

研修5 基礎体験活動や大学生活について

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学生スタッフの体験発表と班ごとのディスカッションを通して,1000時間体験学修や大学生活についての理解を深めました。悩みや失敗も含め,自分の言葉で熱心に語る学生スタッフの体験発表に,1年生が引き込まれる様子がどの研修室でも見られました。また,1年生からの疑問や心配事に対し,学生スタッフが経験をもとにわかりやすく答えたり,アドバイスをしたりしていました。

 

研修6  クラス対抗レクリエーション(ミニ運動会)

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「クラスの団結力を高めよう!」を合言葉に,クラス対抗ミニ運動会が行われました。午前9時開会にもかかわらず,会場のムードは一気に盛り上がり,4人5脚リレー・借り人競争・大縄跳び・フォークダンスで心地よい汗を流しました。最後のフォークダンスは,クラスの輪から全体の輪へと広がり,みんなの心が一つにまとまりました。 

 

 研修7 振り返り

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基礎体験活動の記録用紙の記入の仕方を学びながら,本セミナーでの成果と課題について振り返りました。自分なりの学びを意欲的に3名の1年生が発表してくれました。 

【閉講式】

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閉講式では,新入生はもちろん学生スタッフもこの2日間,体験しながら学んだことをそれぞれに胸に刻み,お互いが本年度の大学生活に期待と意欲を高めることができ,無事に修了しました。

 

 新入生のふりかえり
全項目において,肯定的回答5,否定的回答1とした5段階評価で集計しました。

 

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新入生の感想より
☆慣れない土地で、慣れない一人暮らしで、慣れない授業や生活をしていて、不安ばかりでした。分からないことを全てこのセミナーで教えて頂いたおかげで、その不安もだいぶん消えていきました。友だちが増えたことも含め、生活や授業もすべてが楽しみになりました。もっと大学生として、自覚ある時間管理等の行動をしていきたいと思いました。

☆学生スタッフさんに関しては、研修2や研修4で、私たちがこれからの大学生活で気をつけなければいけないことを面白さも入れながら、わかりやすく教えていてすごいと思いました。ただ、解説をするだけでなく、1回生が考える時間をとったり、スライドを工夫したりするなど、どうしたら1回生が興味をもちながら聞くことができるか工夫を凝らしてあり、私もいつかやってみたいと思いました。

☆学生スタッフの中に同じ高校だった先輩がいて、高校の頃は人前でこんなに話せる人じゃなかったのに、とても話すのが上手くなっていました。自分も1000時間体験学修を通してコミュニケーション力をつけて、来年には先輩のようになっていたいと思いました。

☆私が特に印象に残っているのは研修5の先輩の体験談です。子どもとの関わりとはどういうことなのか、子どもたちにとってのゴールとは何なのか改めて考えさせられました。「自分にできる形で、できることからやればいい。」という言葉は、私の不安な気持ちをスッと軽くしてくれて、自分にできることからがんばろうと思いました。

☆研修2~6は、学生スタッフさんのおかげで、どの研修もすごく楽しかったです。あんなに劇も完ぺきだったので、相当練習されたのではないかなと思いました。大事なことだけど、それを私たちに面白く、分かりやすく説明していただきました。本当に大学生の「本気」を見た気がします。最後に、名札にメッセージが入っていて、すごく感動しました。本当に充実した2日間でした。

☆先輩は「人に誘われてやるのではなく、自分から進んで活動することがポイント。」とおっしゃっていた。私は、友だちや先輩に聞いて、何の活動にするか決めようと思っていたので、しっかり自分がやりたいことを見つけて選択しようと決めた。私は、男子と話すのが苦手だったけど、フォークダンスで距離を縮めることができ、企画してくださった方に感謝したい。この2日間で、人と会話することができるようになったと思う。

☆私がこの2日間で1番印象に残っているのは、やはりミニ運動会です。全員で協力し合って、いろんな人と関わることができたのももちろん良かったのですが、学生スタッフさんの準備や進行がとてもすばらしく、そのおかげで私たちもスムーズに動くことができ、楽しく活動できたと思います。

☆最も心に残った言葉は「大学生時代が教師の研修期間だ。」ということです。大学生時代に、いろいろな活動にチャレンジし、失敗を繰り返すことで、実践力を身につけた教師になれるのだと感じました。新しいことにチャレンジするのはとても不安ですが、失敗しながらも成長していきたいと考えました。

☆今回のセミナーでは、まだまだ自分の目指す教師にはなれないということを痛感しました。先輩方の話を聞いたとき、自分よりも私が目標としている教師像に近いことに気づき、もっと努力が必要なのだと思いました。「島根大学での学びは確実に自分の力になる。自分をよりよく変えていける。自分の目標に近づける。」そう確信できるセミナーでした。そのためにも、積極的に能動的な姿勢を保ち続ける努力をしていこうと思いました。