「1000時間体験学修基礎体験領域」の改善プロジェクト

( 2015年度)

プロジェクトの名称

 「1000時間体験学修基礎体験領域」の改善プロジェクト

プロジェクトの概要

「1000時間体験学修」を必修化して12年目を迎える。学生に400時間を選択必修とする基礎体験領域では,「子ども」「地域」「学校」をキーワードに多様な体験学修内容を整備してきた。これらの体験は学生の教師力を高めている反面,様々な問題が顕在化しつつある。これらの問題を改善するためには,これまでの支援センターにおける研究方法を見直し,エビデンスに基づいた学生の学びの状況把握が急務となってきた。

 今回は3つのプロジェクトの実施と準備を行った。
① 教員となった卒業生の基礎体験活動の選択内容についてデータをもとに分析し,その傾向を探り,体験活動のモデル化の基礎とする。
② これまでの卒業生への対外的な評価について追跡調査を行うためのアンケート用紙の準備を行う。
③ 基礎体験活動の問題点を抽出し,学生に対して有効な体験活動の採用・選択基準を検討する。

プロジェクトの
実施状況
今年度は上記3つのプロジェクトに対し,以下のような内容を実施した。
 2014年度卒業生153名の基礎体験活動の内容を次の視点から分析を行った。
・就職別体験時間数の分布
・教育実習の成績と時間数
・教職志向と体験時間数及びその学期別分布など
 この内容は平成27年度日本教育大学協会研究発表会(埼玉大学)において口頭発表を行った。
 卒業生に対する追跡調査を行うためのアンケート用紙を作成中である。今後のデータ処理の問題もあり,質問内容や回答方法について来年度FD戦略センター情報分析部門と協議したのち,アンケートを実施する予定である。
 12年間実施してきた基礎体験活動はこれまで200以上の事業所において各種活動を実施しているが,その活動内容を採用・選択する基準が曖昧になり,活動自体が目的化しているものも散見している。今年度は教師力向上に有効な体験活動をこれまでの研究をもとに検討し,その採用・選択基準を設定し,基礎体験連絡協議会において公開した。また会に参加していない事業所へその内容を送付し,来年度1年かけて基礎体験活動の精選を行うことを通知した。
研究組織
所属・職 氏名 専門分野
初等教育開発講座・教授 ○川路 澄人 図画工作科・生活科教育,教師教育
教育支援センター・准教授 寺井 由美 教師教育
教育支援センター・准教授 光森 智哉 教師教育
教育支援センター・准教授 山田 二郎 教師教育
教育支援センター・特任教授 柳野 幸敬 社会教育,教師教育
教育支援センター・特任講師 長岡 美沙 教師教育
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)
1000時間体験学修の改善に大きく寄与することが期待される。
 また,分析結果とその成果については,支援センターメンバーが日本教育大学協会において研究発表を行った。