地域志向型国語教育研究の開発と実践-教科内容学・教科教育学・教育実践学の3者連係による-

( 2015年度)

プロジェクトの名称

地域志向型国語教育研究の開発と実践
-教科内容学・教科教育学・教育実践学の3者連係による-

プロジェクトの概要
 国語教育関係教員による共同研究・研究会組織・公開講座等の実績を踏まえて,それらを活用して地域との連帯関係を確立し,地域社会に貢献できる人材を養成する体制を強化することを目的とする。主な活動は以下の7点。
1. 国語教育と山陰地域との関係について,各専門領域から考察する。
2. 国語科内容構成研究授業(学部)・国語科教育学授業(同)・中等国語科内容開発研究授業(大学院)等を通じて同一素材を教科専門教員と教科教育教員とが考察する。〔教科専門と教科教育の連係〕
3. 附属学校の「幼-小-中」一貫教育構想に対応して,国語能力の相補・連動的学習について検証する。〔教科教育と教育実践の連係〕
4. 実現可能な地域密着型の国語科教材とその教授方法を探索する〔教科専門と教育実践の連係〕
5. 島根大学教育学部国文学会研究発表会等と協同して,地域を志向した教育・研究の基盤を形成し,地域に貢献する。
6. 島根大学言語教育研究会の研究発表会等の機会を活用して,地域志向型国語教育の可能性について検討する。
7. 島根大学公開講座「国語教育と山陰地方」(仮題)を開講して,1~5の成果を公表することで地域との連結を確保する。
プロジェクトの
実施状況
1. 国語教育と山陰地域との関係について,各専門領域から考察した。
2. 国語科内容構成研究授業(学部)・国語科教育学授業(同)・中等国語科内容開発研究授業(大学院)等を実施して,教科専門教員と教科教育教員とが考察の場を共有し,新しい学部・研究科における国語科教育の方向性を検討した。
3. 附属学校での実習(学校教育実習Ⅰ~Ⅲなど)や体験学修を通じて,「学部」と「附属」の言語コミュニケーション教育の方法についての考究を開始した。
4. 国語教育懇話会を開催し,「教科内容学と地域連携」についての現状報告とそれに関する討議を行った。12月16日。
5. 本学入学センターの美濃地裕子氏を招いて,高大接続と地域連携に関する研究会を開催し,地域志向型国語教育のあり方などについて検討した。2月11日。
6. 「教員養成学部における教科内容領域の再定義」プロジェクト研究発表会において,「教科内容学研究―教科専門教育の役割について―」の報告②「国語科における日本古典文学教材と教科内容学研究―『さつき待つ花橘の香をかげば』の読解をめぐって―」により本プロジェクトの成果の一部を公開した(報告者:福田景道)。2月17日
7. 島根大学公開講座「島根大学の『国語』」を開講して,本プロジェクトの成果の一部を公表した。担当者:福田景道・田中俊男・百留康晴・竹田健二・田中耕司・冨安慎吾。10月16日~11月27日。
研究組織
所属・職 氏名 専門分野
教育学部・教授 ○福田 景道 日本文学
教育学部・教授 福田 哲之 書道・書論・文字学
教育学部・教授 竹田 健二 漢文学
教育学部・教授(特任) 田中 俊男 日本文学
教育学部・准教授 百留 康晴 日本語学
教育学部・准教授 田中 耕司 国語教育学
教育学部・准教授 冨安 慎吾 国語教育学
附属中学校・教諭 永野 信吾 国語教育学
附属中学校・教諭 籠橋  剛 国語教育学
附属中学校・教諭 鳥屋尾慎人 国語教育学
附属小学校・教諭 喜多川昭博 国語教育学
附属小学校・教諭 恩田 一穂 国語教育学
附属小学校・教諭 金坂  唯 国語教育学
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)
1. 本学部・大学院の将来像に「国語科」として積極的に関与できる。
2. 学部・大学院の新組織,新体制に教科専門関係教員を適切に位置づけることができる。
3. 地(知)の拠点整備事業(COC)や「ミッションの再定義」達成に貢献できる。
4. 学部・附属学校の連携を可視的に実現することで,中期目標・計画達成に寄与する(学部と附属学校の国語科教員の研究組織「三土会」と連携できる)。
5. プロジェクトの活動と公表によって,学生の教員就職志向性や地域志向性を強化することが期待される。
6. 成果は報告書・ホームページ・公開講座等の形で多様に公表する。