しまね de 特別支援教育 地域連携プロジェクト

( 2014年度)

プロジェクトの名称 しまね de 特別支援教育 地域連携プロジェクト
プロジェクトの概要
 次に示す取組を通して、特別支援教育に係るよりよい指導・支援の具体とその在り方を検討するとともに、現職教員の資質向上と学部教育活動の補完を図る。
子どもから学ぶ発達・教育研究実践セミナーの開催
   地域の学校(園)で活躍する現職教員(教育委員会担当者を含む)を招聘し、まさに現場で起きている「生」の事例・事象の話題提供とそれに基づく協議を行う。
学校(園)訪問支援の実施
   幼稚園や学校へ学生と共に訪問し、そこで展開されている「生」の授業(保育)と豊かに出会い、現職教員との授業研究協議を行う。あわせて訪問校を所管する市町村教育委員会と連携し、地域の学校(園)を巻き込みながら、それぞれの地域の実情やニーズを踏まえた地域研修のあり方についても研究する。
ゲスト・ティーチャー招聘授業の実施
   現職教員や教育委員会担当者、障がい児者支援施設担当者等の専門家並びに障がいのある子を養育している保護者等をゲストとして授業に招き、教育や福祉分野で、あるいは家庭で行われている「生」の子育て・子育ち支援についての話題提供とそれに基づく協議を通して子どもと支援の多面的理解を図る。
教職大学院カリキュラムにおける地域連携・貢献型カリキュラムの開発
プロジェクトの
実施状況
子どもから学ぶ発達・教育研究実践セミナーの開催
   平成27年2月14日(土)、「中等教育段階の特別支援教育を語り合い 考え合う」をサブテーマに、話題提供者として発達障がいのある青年とその養育者をはじめ、中学校、高等学校教諭を、コメンテーターとして島根県及び松江市教育委員会担当者、小児神経科医を招き、島根・鳥取両県の現職教員を中心に約50名の参加を得て実施した。
学校(園)訪問支援の実施
   主に松江市内の保育所・幼稚園、小学校、特別支援学校に訪問し、公開保育・授業の後に研究協議を進めるスタイルで実施した。また、授業の一環として小学校や特別支援学校に学生と訪問し、「生」の授業や児童生徒と関わることができた。
ゲスト・ティーチャー招聘授業の実施
   幼稚園(幼保園)や小学校、特別支援学校の現職教員や島根県及び松江市教育委員会担当者、発達障害支援センター職員、障がい児者支援施設職員等の専門家並びに障がいのある子を養育している保護者延べ9名をゲストとして授業に招き、あるいは訪問した。
教職大学院カリキュラムにおける地域連携・貢献型カリキュラムの開発
  上 記した地域との連携結果や連携機関・者(協同研究者含む)と意見交換をしながら、教職大学院でのカリキュラム構想を行った。
研究組織
所属・職 氏名 専門分野
心理・発達臨床講座・教授 ○原 広治 障害児教育
心理・発達臨床講座・教授 稲垣卓司 障害児病理
心理・発達臨床講座・准教授 樋口和彦 障害児心理
言語文化教育講座・准教授 大谷みどり 英語科教育
附属教師教育研究センター・特任教授 三島修治 教育実践論 特別支援教育
附属学校園・教諭 宮崎紀雅 学校教育 特別支援教育
島根県立出雲養護学校・校長 池尻和良 学校教育 特別支援教育
島根県教育庁特別支援教育課・課長 原田雅史 教育行政 特別支援教育
松江市発達・教育相談支援センター「エスコ」・所長 河井克典 教育行政 特別支援教育
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)

 地域の学校(園)で活躍する現職教員や教育委員会担当者、障がい児者支援施設(事業所)担当者等から、まさに現場で起きている「生」の事例・事象の話題提供を受け、それに基づく協議をすることは、学生にとって大学における授業を実践の視点から深慮し、障がいのある児者や保護者に対する支援と実際の理解を多面的に捉えることに有効であった。また、担当者等との意見交換や協議を通じて、地域に開かれた研修の必要性や当事者と共に創る研修のあり方の重要性が示唆された。
 今後は、これらの成果を、学部教育や授業、教職大学院カリキュラムに応用していくことともに、より一層、地域の学校や施設、教育委員会等の連携ある実践が期待できる。なお、セミナーの実施報告を教育委員会等に行い、活用を願う予定である。