教員養成学部・大学院における教科内容領域の再定義

( 2014年度)

プロジェクトの名称 教員養成学部・大学院における教科内容領域の再定義
プロジェクトの概要

 本プロジェクトは、教科専門教員の研究内容や成果を教員養成・教師教育にどう生かしていくかを検討・研究することを目的としている。
 具体的な教科内容領域の改革の取り組みの第1点目として、山陰地域の教育委員会や現場の先生方、教育文化施設などとの連携を視野に入れながら、教科専門教員による教育と業務を検証することとしている。そのため本学部や他大学から講師を招聘し、講演会や報告会を開催する。
 また現在、学部教育における実践的能力の育成が課題とされ、教職大学院における「教科内容構成」授業の開発も提言されている中、このような状況に対応するため、本プロジェクトの研究テーマの第2点目として教科内容学研究を掲げている。そのため教科内容学シンポジウムでの発表や、教科内容学の権威者の講演会を行い、教科内容学に対する理解を深める。

プロジェクトの
実施状況

全13回(5/19,6/16,7/9.7/24,8/8,8/11,8/26,10/3,10/15,10/24,12/8,12/12,2/12)のプロジェクト会議を開催しその中で以下の内容を検討・実行した。 

 ①  教職大学院授業予定科目「現代的課題に対応した授業デザイン論」シラバスの作成
  教職大学院設置に向けて、教職大学院設置準備委員会より付託を受けて、その授業科目の中で専門教員が担当する授業内容について検討した。その後、プロジェクトメンバーの槇原、新井が「授業デザインワーキンググループ」のメンバーに加わり、最終的に「現代的課題に対応した授業デザイン論(仮称)」のシラバスを作成した。
 第1回研究会
  文部科学省と文化庁から特別経費プロジェクトとして補助を受け、地域の諸機関や教員と連携して様々な活動を行っている、環境寺子屋と音楽教育連携推進室の活動について、その内容や教員の関わり方を報告していただき、意見交換を行った。
環境寺子屋については「環境寺子屋の足跡─成果と課題─」と題し、松本一郎教授に報告いただき、音楽教育連携推進室については「音楽教育連携推進室設立の経緯と活動内容について」と題し、河添達也教授および福間志保特任助教に報告いただいた。
出席人数:35名
(2014.11.26)
なおこの研究会は第7回FD研修会となっている。
 


 

詳細については教育学部附属FD研修センターHP:研修会報告

「第7回研究会を開催しました」参照

http://www.edu.shimane-u.ac.jp/fd/fd_kensyukai/26rireki/t2014.11.26.html

教科内容学研究の取り組みの一環として、鳴門教育大学で開催された「教員養成カリキュラム(学士課程)の試行的実践と改善」第2回シンポジウムに、プロジェクトリーダーの新井が評価者として招かれ、討論会「学生に教科の本質をどう伝えるか-中学校教員養成における教科専門教育のあり方-」において、専門教員の授業に対する教科内容学の意味の総合的な理解を踏まえ、授業発表と討論の総括評価をした。(2014.12.3)
 

第2回研究会
  教科内容領域の改革の取り組みの一環として教科内容学についての講演会を開催した。講師に鳴門教育大学教授で教科内容学研究者として先導的な立場にある松岡隆先生を迎え、「鳴門教育大学プロジェクトによる教科内容学研究の歩みと成果」という演題で講演をいただき、その後議論した。
講演では、鳴門教育大学における教科内容学の特色を他大学との比較によって位置付けられた上で、鳴門独自の「コア・カリキュラム」の実態、コアカリキュラムプロジェクトと教科内容学や教科専門領域との関係性などについての解説があり、教科内容学の学問的特徴、今後の教科内容学研究の方向性が明示された。なおこの研究会は第9回FD研修会となっている。
出席人数: 16名
(2015.2.23)
 



 

 詳細については教育学部附属FD研修センターHP:研修会報告
「第9回研究会を開催しました」参照
http://www.edu.shimane-u.ac.jp/fd/fd_kensyukai/26rireki/r2015.2.23.html

 研究論文の発表

 

 教科内容学研究の成果として、プロジェクトメンバーが次の2編の研究論文を発表した。
○福田景道「古典文学教材としての『竹取物語』 -教科内容学からの授業デザイン-」島根大学教育学部研究紀要第48巻別冊p.63-72,2015
○新井知生「『平面授業構成研究』について -教科内容学の動向を踏まえて-」美術教育学研究第47巻p.31-38,2015

 

研究組織
所属・職 氏名 専門分野
教育学部・教授 ○新井 知生 絵画
教育学部・教授 槇原 茂 西洋史学
教育学部・教授 福田 景道 古典文学
教育学部・教授 高橋 哲也 被服学
教育学部・教授 富澤 芳亜 東洋史学
教育学部・准教授 丸橋 静香 家庭科教育学
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)
1. 教育臨床領域とならんで、教科内容領域においても本学部の特色を打ち出した研究として、その先駆性・独自性をアピールできる。
2. 地域の自治体や教育文化施設との連携を支援することによって、本学のCOC機能をさらに強化できる。
3. 学部内の複数の研究グループと連携することによって、FDを進めることができる。
4. 成果は報告書にまとめて公表し、学部ホームページに掲載する。