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子どもの心をめぐる地域の教育課題への臨床心理学的支援

( 2013年度)

プロジェクトの名称 子どもの心をめぐる地域の教育課題への臨床心理学的支援
―「教育臨床研究会」による教育現場との連携―
プロジェクトの概要

 いじめ、不登校、不適応、非行、ひきこもり、発達障害、児童虐待など、子どもの心をめぐる深刻な教育的問題や課題はますます多様化・複雑化・長期化する傾向にある。山陰両県の学校教育現場では、子どもへの専門的支援、保護者支援、地域社会との連携など広範な対応を求められており、教師集団は個々の専門性に大きな不安を抱えながら日々対応に追われている現状がある。
 島根大学教育学部および教育学研究科は、平成13年度より「心理臨床・教育相談室」(現:「心理・発達臨床相談室」)を開設し、子どもや保護者への専門的な心理臨床相談、学校現場へのコンサルテーションを行ってきた。また、大学院教育学研究科臨床心理学分野では、臨床心理士養成を行い、修了者の多くは島根・鳥取両県の学校教育現場のスクールカウンセラーとなっている。
 本プロジェクトは、学部・研究科が構築してきた「臨床心理学」を核とする教育資源を、地域社会(学校教育現場)に開放しながら、同時に高度専門職業人としての大学院における教員養成(現職再教育)および臨床心理士養成の充実を図ることを目的に、平成17年度より取り組んでいる任意参加の研究会(「教育臨床研究会」)を核とする事業である。平成25年度は、外部講師を招いて、現代の教育現場における問題を臨床心理学に読み解く特別講演会を実施し、教育と臨床心理学についての知見を広げる機会を提供するとともに、現場の教員からの具体的な事例検討会も行った。教育現場の継続的なニーズに応える、大学ならではのプロジェクトといえる。

プロジェクトの
実施状況

平成25年度は、外部講師を招いた特別講演会を2回実施し、延べ250名の参加があった。

・第1回特別講演会(9月22日)
「精神疾患に苦しむ人たちをどう理解するのか

       ~統合失調症の心の深層と治療の実際~」
 講師:川戸 圓氏(川戸分析プラクシス ユング派分析家)
                  【参加人数 128名】

 

  

 

 ・第2回特別講演会(2月11日)
「学校臨床に関する事例検討会~教員による事例発表~」

 講師:桑原知子氏(京都大学 教授)

                  【参加人数 122名】

 

  

 

 参加者から、第1回では「精神疾患への理解が深まった」「精神疾患の生徒への対応について多くの示唆があった」などの感想が多数寄せられた。また、第2回では、「一つの事例を細かくじっくりと検討することで様々なケースに通じるものもあるとわかった」「今後も他校種の事例検討会をお願いしたい」などの声が聞かれた。
 特別講演会は休日に実施し、遠方からも参加しやすいように配慮した。また、駐車場確保のため、外部施設を会場として設定したことにより、公共交通機関の不便な地域からも参加してもらうことができた。

研究組織
所属・職 氏名 専門分野 
心理・発達臨床講座 教授 ○岩宮 恵子 臨床心理学
心理・発達臨床講座 准教授 三宅 理子 臨床心理学
附属教育支援センター 講師 高見 友理 臨床心理学
附属教育支援センター特任講師 三鴨 朋子 臨床心理学
附属教育支援センター特任講師 田中 美樹 臨床心理学
附属教育支援センター特任講師 高野由美子 臨床心理学
附属教育支援センター特任講師 草野 知子 臨床心理学
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)
上述のように、多くの現場教員の参加を得ることができ、学校教育現場に対して、具体的な問題解決の手がかりを与える場となった。
学校現場に、明日から生かせる、臨床心理学的知見を提供することができ、学部の地域貢献、教育現場との協同についての有効な実践例を示す結果となった。
本プロジェクトの経費によって「教育臨床研究会」の案内を印刷し、近隣市町村教育現場(松江市、出雲市、安来市、米子市を中心とした幼、小、中、高、養護学校)に広報することができた。その結果、毎年多数の参加者を得るという成果につながっている。
また、本プロジェクトの成果は学部ホームページ上に公開している。
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