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プロジェクトの名称
島根大学教育学部と附属学校園の連携による食育の発展
プロジェクトの
概     要

健康で豊かな人間性を育むには、健全な食生活を営むことが重要である。このことはすべての世代に当てはまることである。それゆえ、平成17年7月には食育基本法が施行され、これをもとに平成18年3月には、食育推進基本計画が策定された。すなわち、生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むには、食に関する学習は生涯学習における重要な現代的課題となる。その基礎段階での食育を担う学校教育の役割は極めて大きい。現在、本附属学校園では、幼、小、中学校の一貫教育の実施により、骨太の人格形成をめざす教育改革を実施している。このような目標を達成するには、まず、学力形成の基盤となる生活面に目を向け、家庭との連携のもとに食育を一層充実する必要がある。

これまで附属学校園では、三附属校園がそれぞれにおいて昼食として食する給食や弁当、家庭科における食生活学習などを通して、個別に食育を実践してきた。平成18年5月に島根県の学力調査に併せて実施された生活実態調査から、附属小学校と附属中学校では、毎朝、朝食を食べない児童・生徒の割合は6〜7%であった。したがって、一日の活動の源になる朝ごはんについての取り組みが必要である。

本プロジェクとはこのような意図のもとに、附属学校園が所有する食育に係わる人材をフルに活用するとともに、教育学部の食物学を専門とする教員や附属農場に教員の指導・助言のもとに進めた。

具体的に取り組んだことは次の通りである。

1.お弁当BOOKの作成
2.朝食メニューBOOKの作成
3.わくわく給食の取り組み
4.学校農園を活用したさつま芋の栽培と調理実習の連携

プロジェクトの
実 施 状 況

1.お弁当BOOKの作成

子ども達の昼食として幼稚園は弁当が基本、小学校は給食を基本としているが弁当のよさを生かすため、月2回の弁当の日を設けている。中学校は弁当が基本となっている。このように附属学校園では、子ども達はいずれも弁当を学校で食する機会が多くある。そこで、子ども達の発達段階にふさわしい弁当つくりができるように、まず幼稚園児を対象とした弁当つくりに役立つ情報を満載したお弁当BOOKを作成した。園児が実際に食べている弁当を撮影して資料とし、弁当の質、量や栄養バランスなどの観点を専門的な立場から分析・検討したものである。

このお弁当BOOKの活用について、保護者にアンケート調査を実施したところ、弁当つくりに「大変役に立った」というのが大方の意見で、好評であった。

2.朝食メニューBOOKの作成

現在、子ども達の生活リズムを整え、学習に集中して取り組めるように、「早寝、早起き、朝ごはん」の国民運動が展開されているように、子どもにとって朝ごはんを食べることは極めて重要である。そこで、保護者から朝食にふさわしいと考えるメニューを提供してもらうとともに、5,6年生が家庭科の学習においてご飯とみそ汁に合わせて朝食にふさわしいメニューを考え、実習したレシピを提供してもらい、朝食メニューBOOKを作成した。これについても、保護者から活用についてのアンケート調査を行ったところ、実際に活用したものが多く、「大変役に立った」という意見が大半であった。

5,6年生が家庭科学習において考えたごはんとみそ汁にあうおかずの
レシピ、保護者に提供いただいた朝食メニューのレシピを50例紹介。

子どもだけでも、保護者と一緒につくってもよいレシピです。
「早寝、早起き、朝ごはん」で、充実した一日を過ごそう。

3.わくわく給食の取り組み

小学校の給食にかかわっては、地元の農家とタイアップして地産地消による給食の実現を図った。実際に野菜を栽培している農家の方に給食時に、野菜作りや野菜の食べ方などについての講話を依頼し、作り手の顔が見え、安全で安心して食べることのできる給食を提供することができた。また、大学の附属農場からは、昨年度に引き続きさつま芋を食材して提供を受け、さつま芋給食の日には、さつま芋の栽培・指導に当たっている教員と技官に講話を依頼し、さつま芋を通しての食育を行った子ども達からは、「大変美味しい」、「もっと食べたい」、「さつま芋のよさがわかった」、「野菜の大事なことがわかった」などの感想が寄せられ、大変好評であった。さらに、子ども達の希望を給食に取り入れるため、小学生全員からリクエストメニュ―を募集し、栄養士に献立化してもらい、毎月何品かを給食のメニューとして提供した。
幼稚園と小学校との連携の一端として、小学校入学後はきょうだい学級となる幼稚園の年長児と小学校5学年とによる給食の試食会を実施し、食を通してこども達の交流を一層すすめた。

大学農場と連携したさつまいも給食、子どもたちからのリクエスト給食など、栄養満点で美味しいを楽しく食べています。もちろん、地元の農家から野菜を提供してもらっています。
さつま汁給食
さつま汁っておいしいな!

4.学校農園を活用したさつま芋の栽培と調理実習との連携

幼稚園と小学校の学校農園を活用して、幼稚園児と小学校低学年の児童が連携、協力してさつま芋と小麦の栽培を行った。さつま芋の収穫後に全員で焼き芋パーティを行った。
1,2年生の学級では、保護者とともにさつま芋を使ったおやつつくりを行った。

研 究 組 織
所属・職
氏名
専門分野

人間生活環境教育講座
(家政教育コース)
 教授・附属小学校長

 多々納 道子

 家庭科教育学

 講師  麻生 祐司  食物学

附属幼稚園
 副園長

 秦 光司  幼稚園管理・運営
 養護教諭  金岡 真貴子  健康指導
附属小学校
 副校長
 吉崎 朗  小学校管理・運営
 給食推進担当教諭  小林 佳子  給食指導
 家庭科担当教諭  村松 麻衣子  家庭科指導
 養護教諭  小川 真由子  健康指導
 栄養士  上田 絵里  栄養・調理指導
 調理士  吉岡 香代子  調理指導
 調理士  山崎 輝子  調理指導
附属中学校
 副校長
 宮本 弘和  中学校管理・運営
 家庭科担当教諭
 井上 富美子  家庭科指導
養護教諭  福島 由美子  健康指導

※(プロジェクトリーダー)
本プロジェクトにより期待される効果
(成果の公表方法を含む)

本プロジェクトは、1.お弁当BOOKの作成、2.朝食メニューBOOKの作成、3.わくわく給食の実現、4.学校農園を活用したさつまいの栽培と調理実習との連携からなっている。

特に、お弁当BOOKと朝食メニューBOOKの活用については、保護者にアンケート調査を実施した結果、「大変役に立っている」と回答したものが多く、効果が実証された。

今回の取り組みは幼稚園、小学校、中学校の子ども達とその保護者との連携をもとに、食生活の充実・発展を図るものとなった。それゆえ、子ども達の基本的な生活習慣の定着を図るとともに、生活リズムや食環境を整え、確かな学力や骨太の人格形成に資するとともに、附属学校園が着手している三附属連携の学校運営や連携カリキュラムの実施を下支えする機能を果たしたものと考えられる。

お弁当BOOKの作成による食育の成果については、平成20年8月23日に、日本家庭科教育学会中国地区会において発表する予定である。

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