1　　全体指導

　まず，各自が個々の活動時間集計票をもとに，これまでの体験活動時間数の確認を行いました。その後，2年生の全体的な取り組みの傾向とこれからの基礎体験活動の意義についての話を聞きました。

《1000時間体験学修の状況》

※  1年生必修…入門期セミナーⅠ,Ⅱ　　　　　（9月18日現在）

  2　　グループ別協議

　グループ別協議では，基礎体験活動の体験時間数がほぼ同じ学生でグループ分けし，それぞれの実態に応じた課題設定をしました。120時間未満の学生のグループは，入学当初の基礎体験活動に対する思いと今の思いを比較し，なぜ体験が進まないのかを自己分析したり，他者の考えを聞いたりし，最終的には今後体験活動を進めていくための具体的な解決方法を考えました。120時間～200時間，200時間～300時間の学生のグループでは，今までの基礎体験活動の取り組みを振り返るとともに，他の活動の情報を入手して，今後の活動への意欲づけを図ったり，充実した活動にするための方策を議論したりしました。300時間以上活動を積み上げているグループでは，「集い・学び・結ぶ～基礎体験活動の今，そしてこれから～」というテーマのもと，自分の強みや足りないもの，これからの基礎体験活動や大学生活でやらなければならない事などについて，即答フリップ方式で全員参加型のディスッカションを行いました。
　また，4年生8名がアドバイザーとしてグループに入り，自分が今までに体験した活動での学びについて2年生に話をしたり，基礎体験活動での2年生の悩みや質問にも答えたりしました。2年生は，先輩である4年生の話に真剣に耳を傾け，今後，自分が基礎体験活動を行ううえで大いに参考になったようでした。

【体験活動を通して有意義だったこと】

・昨年に引き続き地域交流センター主催の活動に参加している。今年は，自分がリーダーとなって行った学生企画や去年の経験を生かした活動が多くできた。その中で自分に足りないものを見つけ，改善していくチャンスのある活動となっている。【美術教育専攻】
・中学生の学習支援で専攻の教科を教えることの難しさを学んだ。自分は当たり前だと思っていたことも生徒には不思議で，もっと専攻の勉強を頑張り知識を深めたいと思った。【数理基礎教育専攻】
・特別支援教育についてほとんど知識のない自分が，知的障がいのある児童たちと関わることに対し不安もあったが，今後どのような知識が必要か，どのような体験活動をすれば良いのかを理解することができた。【健康スポーツ教育専攻】
・公立小学校の通常学級での支援活動を通して，子どもの多様性や学習支援の難しさなど学ぶことが多くあった。【初等教育開発専攻】

【充実期セミナーの感想】

 ・自分は基礎体験活動に参加した内容に偏りがあるので，他の体験活動に参加している人の話を聞くことができて，視野が広がった気がした。【言語教育専攻】

・自分と同じように時間数の少ない人がいて，みんなで解決策を考えながら，それと同時にやらなきゃいけないという意欲が沸いてきたように感じる。【人間生活環境教育専攻】

・400時間に近づいてきた中であと100時間自分には何が足りていないのか，何を伸ばすことが出来るのかを考えさせられる時間になった。400時間をゴールと考えるのではなく，様々な種類の活動にチャレンジする形で行っていき

たいと思った。【初等教育開発専攻】

・今回のセミナーはすごく熱い議論が交わせた気がした。一人一人が尊重しあい，もっともっと話したいと思わせるものであった。【共生社会教育専攻】

・先輩方の話を聞いて，ただ時間をかせぐのではなく，自分に足りない力をつけるため，目的をもって活動に取り組むことが大事だと思った。もう少し幅広い活動をしていこうと思う。　【音楽教育専攻】　　

 3　まとめ

　　1000時間体験学修は，地域の皆様のおかげで受入れ先も拡大し，多様な体験内容の場を提供していただいております。しかしながら，学生の中には，好きな体験活動だけに偏って参加したり時間数をこなすためだけに参加したりと，なぜ体験するのか，そこで何を学ぶのか，その目的やねらいについて深く考えることのないまま活動を継続している場合があるようです。今後もセミナーやガイダンスを通して，体験活動の意義を再確認していきたいと思っています。